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アメリカ発 「Autism is Treatable ~自閉症は治療可能~」の実践

これは日本で自閉症児を育てているママ達に、アメリカの自閉症治療法について情報を提供するためのブログです。メールで受けた質問への回答を載せています。
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2011/11/24
14:47
息子がSyndionのサンプルを飲んだ後、ぐずったりして2-3日様子が変でした。Syndionを飲んで一時的に症状が悪化するってことはあるのでしょうか?

大いにありえます。以前も書きましたが、新しくバイオメディカル治療を始めた直後に自閉症の症状が悪化するのは良くあることで、そのことは学会でも必ず言及されます。特にSyndionは普通のマルチビタミン・ミネラル剤には入っていない成分(L-カルニチン、コエンザエムQ10、N-アセチル-L-システイン、MSMなど)が入っていますから、その内のどれかに反応しているのかもしれません。しかし"悪化したから"といってすぐに治療を止めてしまうのは良くありません。隣で見ている親としては辛いと思いますが、どうか我慢してしばらく続けてみてください。悪化の後に好転することが多いでようす。
 
子供の様子はできるだけ客観的に観察してください。サプリを飲んだ時間と、問題行動が出た時間、問題行動の頻度・持続時間などを詳しく書いて、データ化するのも良い案です。悪化が更に続くようであればもちろん止める必要がありますが、そこはいつもそばにいる親の勘が一番の決め手になるかもしれません。
 
問題行動が自傷行為などで、その子の安全に関わるような場合は、もちろんその治療は即時に止める必要があります。嘔吐や下痢、発疹など、体調に支障をきたす場合もすぐに止めるべきだと思います。
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2011/11/24
12:42
SyndionにはビタミンAとDが入っていますが、DHAなどすでにAやDが入っているサプリと併用して飲んで問題ないですか?AとDは体に蓄積されるから摂り過ぎに注意ですよね?

私も以前は「ビタミンAとDは脂溶性で体に蓄積されるから気をつけないと!」と思っていました。でも学会やワークショップでドクター達の話を聞くにつれ、考えが変わってきました。現代人、特に自閉症児は、これらのビタミンが足りていないために問題になっていることの方が多いそうです。
 
特によく聞くのが現代人のビタミンD欠乏の問題。去年アメリカではThe Vitamin D Solution (Michael F. Holick, Ph.D., M.D.著)という本がすごく話題になりました。現在アメリカだけでも2億人がビタミンD不足であり、D不足は日ごろの疲労感をはじめ、癌、心臓病、糖尿病、骨粗しょう症などの慢性病に繋がるにも関わらず、D摂取の重要さに気が付いている人は非常に少ないといったようことが書かれてあります。
 
自閉症学会でもD不足についてはよく話されます。D不足は発達障害にも関わっているだけでなく、他の栄養素の体への吸収力にも影響するので、絶対に必要不可欠なビタミンだそうです。ドクター達が推薦する必要摂取量も年々上がってきています。例えば2007年に書かれたDr. James Adamsの文献には60ポンド(約27kg)の自閉症児に150 IU/日(上限は2000IU)が薦められていましたが、今年のARI学会でDana Laakeさんが薦めていたのは、子供には400-1000 IU/日(上限は2000IU)、大人には1000-7000 IU/日(上限は50,00 IU)。太陽の日に当たる時間が短い人、60歳以上の人、肌の色が黒い人は、更に多くのD摂取が必要とのことです。また、現代のビタミンD研究の父と呼ばれているDr. Michael Holickが上記のThe Vitamin D Solutionという本で薦めているのは、子供も大人も毎日最低1000-2000 IUをサプリで摂ること。Dr. Holick自身が毎日摂っているのは、マルチビタミンから400 IU、ビタミンD単体のサプリから2000 IU、3杯のミルクから300 IUの合計2700 IUだそうです。摂り過ぎの毒性が気になるところですが、Dr. Holickの研究によると10,000 IU/日を5ヶ月間続けて摂っても大丈夫だとのこと。中毒作用が出るのはたぶん30,000 - 50,000 IUを数ヶ月から数年続けて摂ったときだそうです。Dr. AdamsとLaakeさんも同じようなことを話していらっしゃいました。
 
SyndionにはビタミンDが2カプセルに250 IU入ってます。これでは足りないぐらいですがら、Omega3(DHA/EPA)や他のサプリ・食品から更に摂ったほうが良いです。ちなみにサプリのビタミンDの種類はD3でなけらばなりません。D2はInactive Formで、効果が劣りますので薦められません。
 
次にビタミンAの適用量ですが、Dana Laakeさんによると3歳で1000 IU/日(上限は2000 IU)、4歳だと1320 IU/日(上限は3000 IU)だそうです。でもビタミンAがベータカロチンの場合は(←いつも必ずどの種類のビタミンAかラベルを確認してください)有害ではないのでそんなに上限を心配しなくて大丈夫です。Syndionは一日2カプセルに1625 IU入っていますが、その85%がベータカロチンなので安心です。
 
つまり、ビタミンAもDもきちんと取る事がとても大切です。摂り過ぎは上記のようにほとんど気にする必要はありません。摂り過ぎより、しっかり摂らないことの方が怖いです。KirkmanはAとDだけを除いたNu-Thera w/o Vitamin A & Dというマルチビタミン・ミネラル剤を出していて、たくさんの自閉症児が飲んでいるようですが、今となっては本当にそういうものを作る必要があったのか、ちょっと疑問に思っています。
 

2011/11/22
11:58
Syndionは今飲んでいるKirkmanのSuper Nu-Thera with P-5-P Liquidと比べビタミンB6(P5P含めて )だけが少ないようです。Syndionを飲みながら特にビタミンB6を強化する必要はないのでしょうか?

結論から先に言いますと、特に強化する必要はないと私は思います。先日の記事にも書いたように、Syndionは他のサプリと違って成分と量が科学的調査研究の結果を元に決められています。ビタミンB6の量も、他の成分との相互作用を考慮した上でしっかりとした根拠があると思われます(10mg/2カプセル)。Kirkmanは主に自閉症治療を目的としたサプリを作っている素晴らしい製薬会社ですが、カタログなどに"成分や効果に関する科学的調査研究をしている"と書いてはいても、実際に消費者がその研究結果を見られるわけではないようです。それに比べ、YasooがSyndionを作るために参考にしているDr. James Adamsの研究は、被験者(自閉症の人達と、そうではない人達)を数十人~数百人単位で集めて行われ、詳しい研究結果は正式に論文としてまとめられ発表されています。Dr. James Adams自身も、「Syndionはたぶん科学的調査研究をふまえて作られている唯一のマルチビタミン・ミネラルだ」とおっしゃっていました。
 
バイオメディカルに興味を持たれた方の多くは、ビタミンB6が自閉症治療に良いことをすでにご存知のようですね。ビタミンB6の研究(実際はビタミンB6とマグネシウム摂取の研究)は、過去にたくさん行われてきました。それらの研究結果を総合すると、被験者(子供と大人)の45-50%に改善が見られたそうです。しかしそれらは全てHigh-Dose(高投与量)した場合です。多くのマルチビタミンに含まれる数十mgの単位ではありません。研究によって使用量は違いますが、例えばARI創設者のDr. Bernard Rimlandが薦めていたのは、8mg/pound/day (1日の量は1ポンドにつき8mg)だそうです(最大で1000mgまで)。例えば、16kgの3歳児に摂らせる一日の量は、16kg=約35ポンドですから、8mg X 35 = 280mgということです。私の手元にあるビタミンB6単体のサプリは、1カプセルで33.8mgですから、一日8カプセル以上摂らなくてはなりません。相当な量だと思います。つまり、マルチビタミンの中に入っているB6だけでは、研究結果と同じほどの改善を目指すことはできないということです。
 
しかし、ビタミンB6が自閉症治療に大きな役割を果たしていることは間違いありません。ビタミンB6は体内の100以上の酵素反応に必要です。その中にはセロトニンやドーパミンなど主要な神経伝達物質の生産、そしてデトックスに必要不可欠なグルタチオンの生産も含まれます。必ず摂ってほしいビタミンであることは確かですが、B6だけで摂るとハイパーアクティブなど行動面の問題が出ることがあるので、それを抑えるためにマグネシウム(B6の半分の量)を摂ることが薦められています。
 
以前の記事にも書きましたが、サプリに入っているビタミンB6には色々な種類があるようです。そのひとつがp-5-p。B6のアクティブフォームです。自閉症児はB6をサプリで摂っても体内で効率よく働くp-5-pの形に変換できないこと多いという理由で、自閉症用のサプリには使われていることが多いです。しかし184人の自閉症児を使って行われたp5-pとPyrodoxine HCIを比べた過去の研究では、p-5-pを摂った子供の10%に悪影響(行動の悪化)が出たのに対し、Pyrodoxine HCIを摂った子供には誰一人悪影響が出なかったそうです。ですからp-5-pが良いと一概には言えません。無難なのはP-5-pとPyrodoxine HCIの両方が入っているマルチビタミンを選ぶことだと思います。
 
ビタミンB6+マグネシウム高投与量治療を試してみたい方のために、Dr. James Adamsが提案されていることを書いておきます。テスト期間としては2ヶ月ぐらいを目安に1mg/poundから初め、徐々に8mg/poundまで増やしていくと良いとのこと。B6は副作用が出ることは稀で、基本的にとても安全だそうですが、上記の研究のような悪影響の可能性を考えるとPyrodoxine HCIを先に試し、その後P-5-pも加えるというのが無難なようです。B6の半量のマグネシウムも一緒の摂ることを忘れずに。
 

2011/11/15
12:46
Syndionを薦められる理由を教えてもらえますか?

SyndionとはYasoo Health Inc.という会社が製造販売しているマルチビタミン・ミネラルのサプリです。私はこのサプリを宣伝で知ったのではありません。Autism Research Institute (ARI)に属する研究者の中で私が個人的に一番信頼しているアリゾナ州立大学のDr. James (Jim) Adamsが、「Syndionは私が監修して製造されているものだ」と自らおっしゃっていたのを聞いて知りました。
 
Dr. James Adamsには自閉症の娘さんがいらっしゃいます。本来はエンジニアリング系の教授ですが、娘さんを育てる中で自閉症治療に興味を持たれ、得意な科学的研究法を使って数々の自閉症バイオメディカル治療に関する研究をされています。私は彼と同じアリゾナに住んでいますから、学会やワークショップで講演を聞くことが多いし、実際に話をしたこともあります。私にとっては一番身近な自閉症治療の研究者です。彼はもちろんARI学会で発表をするスター博士の一人です。ARIのウェブサイトのトップページには彼が書いた"Summary of Biomedical Treatments for Autism"という文献へのリンクがはられています(見つけられない場合はコチラへどうぞ)。この文献は私が友達のママさんから教えてもらってバイオメディカル治療について学び始めるきっかけになったものです。2007年に書かれたもので、今となっては内容的に古いところもあるのですが、日本人の自閉症児を持つママさん達にも紹介するようにしています。
 
Dr. James Adamsも他の研究者同様、必要栄養素の摂取が自閉症治療には何よりも大切であると強調されています。もちろん毎日の家庭の食事を改善することが一番大切だとおっしゃっていますが、自閉症児はひどい偏食を持つ子が多いだけでなく、様々な医学的な問題で一定の栄養素に偏りが出ることが多いので、サプリの摂取も不可欠だと考えられています。2004年頃からはマルチビタミン・ミネラル摂取による栄養療法の研究を続けていらして、つい最近も"Nutritional & Dietary Treatment Study for Children/Adults with Autism"と名づけられた今までより更に大規模な研究のための被験者を募集されたばかりです。彼の研究にはYasoo Health Incが協力をしてサプリを提供し、その研究結果に基づいて次に製造される更に効果の高いサプリの成分と量が決められます。その商品がSyndionです。(注:Dr. AdamsはSyndionを宣伝をしてその報酬をもらうような契約は一切していないとのことです。)
 
Dr. James Adamsの研究についてもっと詳しいことを知りたい方は、http://autism.asu.edu/ をご覧ください。すべて英語になりますが、彼の自閉症のバイオメディカル治療にに関する重要な情報にアクセスできます。
 
私はSyndionのことを知ったと同時に3本まとめて注文したのですが、困ったことが・・・。味がひじょーに悪かった。当初のSyndionは液体タイプで、ジュースやアップルソースにほんの少し混ぜるだけでも、私でさえ吐きたくなるほどでした。もちろん、しょんしょんが飲むはずがない。あれやこれや知恵をしぽって飲ませようとしましたが、毎回嫌がって大泣き。サプリ自体に嫌悪感を持たせてしまったら最後なので、結局あげるのを諦めるしかありませんでした。
 
しかし今年になって、新しいSyndionが発売されることになりました。今回は液体でなく、カプセルタイプ。中の粉をオレンジジュースに混ぜてもほとんど味が変わらないとYasooの販売担当者から聞きました。Dr. James Adamsも新しいSyndionの成分と量は彼の研究結果に沿って改善されたことをワークショップで言っていましたから、期待を持って改めてしょんしょんに試すことにしました。
 
しかし残念ながら、しょんしょんはカプセル状になっても最初は味を嫌がって飲んでくれませんでした。味が以前より何十倍もマシになったことは確かなのですが、それでもビタミン(たぶんビタミンB類とE)の独特の味が残ります。そこで私が考えたのは、しょんしょんに甘い100%ジュース(ピーチやパイナップルなど)を1/3ほど入れたコップを持たせ、嫌な味が口に入ってきたときにはいつでも自由にジュースを飲んでも良いことにすること。そうすれば、自分でジュースを飲むという行為で嫌な味を消すことができますから、本人にコントロールを与えるという意味でも苦痛を軽減できます。つまりSyndionを含む全てのサプリを混ぜてドロドロにしたものを私がスプーンですくって一口食べさせるたびに、しょんしょんが自分でジュースを飲む。だいたいいつも3口で終わります。この方法で、しょんしょんはやっとSyndionが飲めるようになりました。現在は朝食と夕食時の2回、1カプセルづつ飲んでいます。飲みだしてからおしっこの色が以前より鮮やかな黄色になりました。品質の良さを証明しているのかなぁ?と勝手に思っています。しょんしょんはこの数ヶ月で理解力や発語、社会面でどんどん進歩していますが、いくらかはSyndionのお陰もあるかもしれません。
 
Syndionの成分ですが、他のマルチビタミン・ミネラルサプリには入っていないものがたくさん入っています。ミトコンドリアを活発化させるL-カルニチンやコエンザエムQ10、グルタチオンのレベルを上げ抗酸化とデトックスを促すN-アセチル-L-システインなどがその例です。ひとつひとつのビタミン・ミネラルをとっても、研究によって効果が高いとわかった種類のものを使っていますので、かなりお薦めのサプリです。
 
しかしこれを読んでくださっている方が実際にお子さんにSyndionを試したくても、入手が難しいかもしれません。現時点ではたぶんアメリカでしか買えないと思います。値段も$59と、決して安くはありません。その上、お子さんが味を受け付けるかどうかという問題もありますから、残念ながら、誰にでも試してもらえるという商品ではないと思います。
 
 

2011/11/12
15:18
プロバイオティクスは食事と一緒に取るのが効果的だそうですが、消化酵素とは別にとるべきとの事。どれくらいの時間をあければ両方の効果をえられるのでしょうか?

これは難しい質問で、私自身も悩むところです。先月のARI学会では「プロバイオティクスは食事と一緒に摂るのが効果的だ」とDana Laakeさんや他のドクターが言っていたのを聞いたので、それを記事に書きました。それ以前の記事には「プロバイオティクスと消化酵素は一緒に摂るべきでない」とDr. James Adamsが言っていたことも書いていました。私達は食事の際にグルテン・カゼインなどの有害なペプチドをアミノ酸に分解する消化酵素を子供に飲ませていますから、リーキーガット改善に特に大きな役割を果たすプロバイオティクスを消化酵素と同時に摂らせてはいけないとなると、面倒なだけではなく、効果についても心配になります。ネットなどでもっと調べたら違う意見が見つかるかもしれませんが、ここではとりあえず現時点での私なりの解決法を書かせてもらおうと思います。
 
まず、プロバイオティクスには数百単位の種類があります。消化酵素に対して強いもの、弱いもの、影響がないものがあるだけでなく、同じ菌でも製造方法によって作用や効果に違いがあるそうです。それぞれの菌の効果もまだ100%はわかっていません。ですから「こうすれば絶対に効果的」という摂り方はない、というより、まだ誰も知らないのではないかと思うのです。サプリに入っている菌の種類や製造法を製造元に問い合わせ、種類ごとの作用を徹底的に調べればある程度は確実なのでしょうが、そこまでやる方はまずいらっしゃらないでしょうね・・・。
 
私がプロバイオティクスの摂取法に関して今までに聞いたことがあるのは、
 
●食事と一緒だと菌が腸まで届く可能性が高い。
●胃酸による影響を受ける可能性があるため、胃液が薄まる食後のほうが良い。
●就寝前に摂ると寝ている間に作用するので効果的。
 
いったいどれが一番正しいのかはわかりません。結局、菌の種類によって違うし、研究者によっても言うことが違う、ということなのかもしれません。
 
しかし、今までに私が会ったほぼ全ての研究者が一致して言っていることもあります。
 
●なるべくたくさんの種類を摂ったほうが良い。
●一日数回に分けて摂ったほうが良い。
●長期にわたって摂取し続けないと効果がない。
●消化酵素と一緒に摂ると効果が薄れる。
 
上記をふまえ、現時点で私が個人的に良いと思う摂り方は以下のような感じです。が、みなさんもご自分とお子さんのライフスタイルに合わせて最善の方法を考えてみてください。
 
(1) 基本的に食事の時は消化酵素を優先して(食前に)摂る。完全にGFCFである(+その他のアレルゲンも一切含まれない)食事やおやつを食べる機会を一日1~2回作り、その際はプロバイオティクスを優先。そして就寝前もプロバイオティクスを摂る。
 
(2) 両方を食事の際に摂るときは、消化酵素は必ず食前、プロバイオティクスは必ず食後。
 
先月のARI学会では去年と同様Houston EnzymesのDr. Houstonと直接話すことができましたので、「消化酵素の効果があるのは食前だとどれぐらい前までか?」と聞きましたら、「約15分前」との返事をもらいました。これも参考にしてください。
 
最後にもうひとつ。どこで読んだか忘れてしまったのですが、KirkmanのPro-Bio Gold (Hypoallergenic)は消化酵素と一緒に摂っても影響がないと書いてありました。もしかするとKirkmanはその辺をしっかり考慮して製品を作っているのかもしれません。確かなことが分かれば、またご報告したいと思います。

2011/11/08
08:17
風邪が治らないので抗生剤を使ってしましました。腸内細菌を元に戻すにはどうしたらいいのでしょうか?

抗生物質が腸内細菌に影響し、自閉症児のその後の認知や行動に変化が現れる可能性は確かにありますが、抗生剤を飲まなければ治らない種類の風邪もあると思いますので、医者から処方された抗生剤を使う判断をしたことで、ご自分を責めたりはしないでくださいね。
 
子供を病院に連れて行くとき、医者には「なるべく薬を使いたくない」と毎回はっきり伝えると良いかもしれません。その前に、親の意思を尊重してくれる医者を見つけておくことが何より大切だと思います。信用できる医者が「薬を極力使いたくない」という親の意思を受け入れた上で、それでも薬を処方する場合は、正当な理由があると判断してやはり薬を飲むべきなんだと私は思います。
 
一部の方々にはすでにメールに書きましたが、私は日本の小児科医の中では「薬を使わない医者」として有名な真弓定夫さんの考え方が素晴らしいと思っています。彼の本は何冊か読みましたが、「病気知らずの自然流育児」という本がシンプルで分かりやすいかもしれません。美健ガイド社が発行している真弓定夫さん監修のマンガ本も子供の食育のために買い揃えました。真弓定夫さんの本の内容で驚くのは、私がアメリカで勉強しているバイオメディカル治療と重なる部分がたくさんあること。薬より食から摂る栄養のほうが大切であることや、不自然な暮らし方がどれほど現代の病気に関わっているか、化学物質や添加物など日常生活から知らず知らずのうちに体に入る"毒"の恐ろしさ、白砂糖や牛乳、小麦製品などが実は体に良くないものであることなど、まさに自閉症の原因とバイオメディカル治療の論点です。自閉症治療の資料がほとんどない日本でバイオメディカル治療をより早く理解するためには、まずは真弓定夫さんの本(とマンガ?)を読まれると良いかもしれません。
 
さて、話が横にずれましたが、ここからが本題。「腸内細菌を向上させるにはどうすれば良いか?」
 
やはりまずはプロバイオティクスの摂取です。DANドクター達は、なるべくたくさんの種類の菌が入ったサプリを一日20~100 Billion単位で摂ることを薦めています。腸内菌を安定させるには長期の摂取、つまり途中で止めないことが大切です。摂取の注意点としては、なるべる食事と一緒に。そして"朝食と夕食"など一日数回に分けて摂るほうが効果的です。
 
サプリより効果があると言われているのは発酵性の食品。Billionではなく、Trillion単位でプロバイオティクスが摂れるそうです。アメリカの学会ではケフィールやヨーグルト(CFの場合、ココナッツなど乳製品を使っていない種類のもの)、ザウアークラウト(塩漬けにして発酵させたキャベツ)が例に出されることが多いです。日本の納豆が紹介されたこともあります。たぶん発酵食品である漬物や味噌、キムチなども積極的に食べると良いと思われます。
 
よく言われることですが、日本人が長生きなのは日ごろからたくさんの発酵食品を食べるため、腸内が健康だからでしょう。しかし、それは私達の親や祖父母の時代だけで終わってしまうかもしれません。私達の現代の食事といえば、ファミレスやコンビニ弁当、ファーストフード、菓子パン、加工食品など、添加物や化学調味料漬けのものばかりです(日本は世界一の食品添加物大国であることをご存知ですか?)。無農薬の葉野菜・根野菜から食物繊維(プレバイオティクス)をたくさん摂ったり、納豆や漬物(プロバイオティクス)、小魚(オメガ3)などと一緒にご飯とみそ汁を食べる純和食メニューも少なくなってきました。何度も話しましたが、自閉症治療を考える際、必要栄養素の摂取は不可欠です。私はアメリカに長く住んでいるので特に分かりますが、日本の食文化は本当に素晴らしい。小麦の入った醤油を除けば、日本食は自閉症治療に最適です。どうか治療だと思って、お子さん達におじいちゃん・おばあちゃんが食べていたような昔ながらの日本の食事を作ってあげてください。
 
あ、また話が違う方向に・・・。すみません・・・(-_-;)
 
先日のARI学会で腸内環境がたくさん話題になったことはすでに書きましたが、今回はプロバイオティクスに加えて、プバイオティクスも大切であることを学びました。プレバイオティクスとは基本的に消化されない食物繊維のことで、自らが腸内の良い細菌やプロバイオティクスの栄養源となって増殖を助けます。野菜や果物、豆科食物、全穀粒などに含まれます。オリゴ糖もプレバイオティクスのひとつだそうです。上にすでに書きましたが、腸内環境を整えるには日ごろの食事で食物繊維をたくさん摂るように心がけてください。そして日本ではオリゴ糖が簡単に買えるようですから、ぜひ試されると良いと思います。
 
ちなみにプレバイオティクスはサプリでも出ています。ウチは学会の後KirkmanのPre-Bio Fiber  を買って試していますが、しょんしょんは長期間プロバイオティクス摂取した後は便に問題がないため、玄米を少し混ぜた白米や、根菜を使った料理を普通に食べていれば必要ないような気がしています。
 
最後に、明らかに消化に問題があるとき(軟便や便秘が続く、食べたものが消化されずに出てくるなど)や、抗生物質を使った後の対処法ですが、栄養士のDana Laakeさんは以下のようなことを推薦されていました。ご参考までに。
 
●プロバイオティクスのサプリの摂取を75~100 Billionに上げる。
●ビオチンを一日20mg摂る
●DPP IV入りの消化酵素を摂る
●イースト増殖が見られるときは、S. boulardiiを1~6 Billion。
 

2011/11/06
08:00
社会性を増やすサプリはありますか?

"社会性を増やすサプリ"とはっきりとした形では言われていませんが、いくつか関連性のありそうなものはあります。自閉症治療を行っている医師や研究者によって意見は少しずつ違うようですが、ここでは35年以上にわたって栄養療法を専門にしておられる栄養士のDana Laakeさんが、先日のARI学会で発表された自閉症治療のための栄養療法から抜粋したいと思います。
 
"社会性"といってもいろいろな要素があり、定義づけは人によって異なりますが、ここでは社会的スキル向上を目指すという意味で、コミュニケーション障害と、視線が合わない問題の改善に役立つサプリをいくつか紹介したいと思います。
 
以下のサプリは全て、基本のマルチビタミン・ミネラルを摂った上で、更に上乗せして摂ると良い分量です。Dana Laakeさんはこれらのサプリ摂取と同時にGFCFSF(グルテンフリー・カゼインフリー・ソイフリー)ダイエットも勧められています。
 
 
コミュニケーション障害改善に役立つサプリ
 
●亜鉛 (Zink Citrate, Chelate, Gluconateのいずれか)
一日15mg~25mg
 
●マグネシウム
100mgを一日2回~3回
便が柔らかい~普通の場合 = Magnesium Taurate, Oxide, もしくはChelate
便が硬い~便秘の場合 = Magnesium Citrate もしくはSulfate
 
●オメガ3 
一日2000~3000mg  
EPA:DHAの比率は1:1~1:2 (つまりDHAを大目に摂るほうが良い)
 
●カルノシン
200mgを一日1回~2回
 
●ビタミンB コンプレックス (葉酸、メチルB12、TMGを含むもの) 
一日25mg
 
 
視線が合わない問題改善に役立つサプリ
 
●ビタミンAとDを含むCod Liver Oil (コッド・リバー・オイル) 
一日大匙1/2~1杯
 
●DHA
一日450mg以上
 
●ビタミンD
一日2000IU
 
●亜鉛 (Zinc Citrate, Picolinate, Sulfateのいずれか)
一日25mg
 
●タウリン (Detox/Sulfationの改善)
一日50~250mg
 
●エプソン塩を入れた入浴、もしくはエプソン塩のクリームかローション (Detox/Sulfationの改善)
 
 
 

2011/11/01
14:10
Microbiome

久しぶりのブログ更新です。10月は子供達の秋休みがあっただけでなく、遠足、個人面談、パーティ、発表会、日本から母の訪米、車の事故、上の息子と自分の視力矯正治療など、いつも以上に慌しく時間が過ぎていきました。相変わらずなかなか自分の時間が取れないでいますが、このサイトを覗いてくださっている方は毎日数人ずつ増えているようですし、これからも時間が許す限りできるだけ更新していこうと思います。
 
まず、10月13日~16日の4日間ラスベガスでで行われたAutism Research Institute (ARI) の学会についてですが、今回私は自閉症児の親のためのジェネラル・セッションから10レクチャー、医師や専門家のためのサイエンス・セッションから15レクチャー参加してきました。サイエンス・セッションへの参加は今回が初めてで、私にとっては難しすぎるトピックもありましたが、バイオメディカル治療に興味を持つ医師や専門家がどのように勉強しているのかを間近で見る事ができ、とても良い経験になりました。
 
今回の学会で私が注目したトピックのひとつにMicrobiome(ミクロビオーム)があります。Microbiomeとは、ヒトの体内に生息する微生物集団とそのゲノムのこと。特に腸内に住む微生物(細菌)がどのように身体と脳の健康に関わっているかが主な研究課題になっているようです。まだ始まったばかりの新しい研究分野ですが、腸内の微生物が脳の神経伝達物質の生産に関わっていることは分かってきていますから、自閉症治療の研究者にとっては今後更に重要なトピックになっていくと思われます。
 
Microbiomeのレクチャーの中で私が一番衝撃を受けたのは「幼児期に抗生物質にさらされると、腸内フローラが変化し、長期にわたる腸内環境への影響が懸念される」と明言されたこと。ウチのしょんしょんは生後8ヶ月のときに髄膜炎になり、入院していた3日間、途切れることなく抗生物質の点滴を受けました(72時間)。その後1歳になった辺りから頭を床に何度も打ち付ける自傷行為が始まりました。8ヶ月といえば母乳以外に離乳食も食べていましたから、抗生物質の投与によって腸内フローラが変化(=良いバクテリアが激減)し、炎症を起こしてリーキーガット化したところにグルテンやカゼイン、その他のアレルゲンが入り込み、それが脳に到達して言葉や行動の発達に影響を与えたと考えられます。
 
実際、自閉症と抗生物質(主に中耳炎治療のため)の関連性は以前から疑われていたようです。私がしょんしょんのためにこれまで記入してきた自閉症に関する数々の質問表には、必ずと言っていいほど「中耳炎を頻繁にやりましたか?」の項目がありました。そのときは中耳炎がなぜ自閉症に関係するのか分かりませんでしたが、こうやって学会などに参加して勉強していくうちに徐々に理由が理解できるようになりました。
 
抗生物質は悪い細菌を殺し、時には命を助けます。しょんしょんも抗生物質によって髄膜炎を克服できました。しかし抗生物質の投与は、良い細菌まで殺してしまうことにもなり、腸内フローラの変化という形で悪影響を残すことがあります。
 
このブログを読まれているママさんの中にも、お子さんが小さいときに医者から長期間にわたって抗生物質を処方された方がいらっしゃるようです。日本では抗生物質を処方されることが非常に多いようですが、上記のような理由で、自閉症児にはなるべく使わないようにしたほうが無難だと思われます。
 
今回の学会で新たに学んだ腸内環境を整える方法に関しては、いずれまた。みなさんから送られてきた質問にも近々回答するつもりです。

2011/10/08
15:33
ブログの更新について

なかなか新しい記事が書けず、申し訳ありません。このブログは自閉症治療について私の体験談を書いたウェブサイトを作るまでの、一時的な情報提供の場として公開しましたが、最近はみなさんからの質問も途絶えがちになってきました。きっと私が「忙しい」とか「時間がない」とか書いているので、気遣ってくださっているのでしょうね。すみません・・・。確かにやることが山積の毎日を送っていますが、みなさんに出来るだけたくさんお伝えしたいという気持ちは以前と全く変わっていませんので、何か聞きたいことが出てきたときにはいつでも気軽にメールしてくださいね。
 
しかし来週は待ちに待ったDAN学会(今年からARI Conferenceと名前が変わったようです)がラスベガスで行われます。ラスベガスへ行く前に立ち寄るところがあるので、しばらく(2週間ほど?)ブログの更新が出来ない可能性が高いです・・・(>_<) メールでいただいた質問には家に戻った後必ず回答させてもらいますね。
 
今回のDAN学会も木曜の夜からセッションが始まり、金・土・日の丸3日間をアメリカ中から集まった医師や専門家、そして自閉症児の親達と一緒に、最新の治療について勉強します。去年より更に進んだ研究結果がたくさん聞けると思うので、とても楽しみ。今の私はまだ情報を得るばかりで、その情報をみなさんに発信できる状態が整っていないことがとても心苦しいですが、いつかきっとやり遂げたい!どうかもうしばらく待っていてください。
 
最近は私が知っている日本のママさん以外にもこのブログを読んでくださっている方がいるようです。アメリカの自閉症治療についてネット検索されている方々が、このブログにもたどり着かれている様子。もし私の知識が少しでもそういう方々のお役に立つのなら、記事に対する質問を受け付けたいところですが、今の私には時間的な余裕がないという理由で、現在コメントは一切受け付けない設定にしております。申し訳ありません・・・。もう少しこのブログに専念できる時間がもてるようになりましたら、何らかの形で質問・コメントを受け付けられるようにしようと思っています。

2011/10/02
03:23
息子はNordic NaturalsのChildren DHAが苦手であまり食べてくれません。同社のNordic Omega3Gnmmiesなら食べました。同じようなものでしょうか?

Children's DHAとNordic Omega-3 Gummies。同じNordic Naturals社の製品ですから品質的にはどちらも信用できると思います。しかしこの二つは入っているDHAの量がかなり違う。Children's DHAは1日の摂取量とされる4粒の中に125mg含まれますが、Gummiesのほうは1日2個で27mg。ですから効果的にはGummiesが劣ると思います。Gummiesは1ボトルに60個入っています。DHAの摂取量を上げるため仮に倍の4個食べさせても54mgですし、15日でなくなってしまう。ちょっともったいない感じですよね。
 
日本で買えるかどうか分からないのですが、Nordic Naturalsは他にも液体タイプのChildren's DHAを作っています。これだと小さじ1/2でDHAが313mg含まれていますし、値段も比較的安いです。ただしジェルカプセルやグミタイプに比べるとどうしても魚臭さが残るので、苦手な子供も多いみたい。でも臭さを全く気にしないで飲む子もいます。これだけは子供に実際にあげてみないとわかりません。味の強い液体タイプのマルチビタミン・ミネラルを飲ませている場合は、それに混ぜ込んでしまうことで魚臭さは幾分マシになるかも。
 
他には水に溶かして飲めるOmega-3 EffervescentOmega-3 Stix for Kidsなんていうのも最近発売されましたが、ウチではまだ試したことがありません。もし日本で手に入れられない場合はサプマートUSAなどに取り寄せをお願いしたりできないものでしょうかねぇ・・・?

品質の良さという意味ではNordic Naturalsが一番安心だと言われていますが、Kirkman Labもオメガ3を含む商品をいくつか出しています。ウチは試したことがありませんが、Cod Liver Oil Liquidのレモンなどの味付きならサプマートUSAで買えるようですし、DHAもEPAも十分含んでいますから試す価値は十分あると思います。

お子さんが好んで飲んでくれて、効果の高いオメガ3商品が早く見つかるといいですね。
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