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2011/11/01 14:10 |
Microbiome |
久しぶりのブログ更新です。10月は子供達の秋休みがあっただけでなく、遠足、個人面談、パーティ、発表会、日本から母の訪米、車の事故、上の息子と自分の視力矯正治療など、いつも以上に慌しく時間が過ぎていきました。相変わらずなかなか自分の時間が取れないでいますが、このサイトを覗いてくださっている方は毎日数人ずつ増えているようですし、これからも時間が許す限りできるだけ更新していこうと思います。
まず、10月13日~16日の4日間ラスベガスでで行われたAutism Research Institute (ARI) の学会についてですが、今回私は自閉症児の親のためのジェネラル・セッションから10レクチャー、医師や専門家のためのサイエンス・セッションから15レクチャー参加してきました。サイエンス・セッションへの参加は今回が初めてで、私にとっては難しすぎるトピックもありましたが、バイオメディカル治療に興味を持つ医師や専門家がどのように勉強しているのかを間近で見る事ができ、とても良い経験になりました。
今回の学会で私が注目したトピックのひとつにMicrobiome(ミクロビオーム)があります。Microbiomeとは、ヒトの体内に生息する微生物集団とそのゲノムのこと。特に腸内に住む微生物(細菌)がどのように身体と脳の健康に関わっているかが主な研究課題になっているようです。まだ始まったばかりの新しい研究分野ですが、腸内の微生物が脳の神経伝達物質の生産に関わっていることは分かってきていますから、自閉症治療の研究者にとっては今後更に重要なトピックになっていくと思われます。
Microbiomeのレクチャーの中で私が一番衝撃を受けたのは「幼児期に抗生物質にさらされると、腸内フローラが変化し、長期にわたる腸内環境への影響が懸念される」と明言されたこと。ウチのしょんしょんは生後8ヶ月のときに髄膜炎になり、入院していた3日間、途切れることなく抗生物質の点滴を受けました(72時間)。その後1歳になった辺りから頭を床に何度も打ち付ける自傷行為が始まりました。8ヶ月といえば母乳以外に離乳食も食べていましたから、抗生物質の投与によって腸内フローラが変化(=良いバクテリアが激減)し、炎症を起こしてリーキーガット化したところにグルテンやカゼイン、その他のアレルゲンが入り込み、それが脳に到達して言葉や行動の発達に影響を与えたと考えられます。
実際、自閉症と抗生物質(主に中耳炎治療のため)の関連性は以前から疑われていたようです。私がしょんしょんのためにこれまで記入してきた自閉症に関する数々の質問表には、必ずと言っていいほど「中耳炎を頻繁にやりましたか?」の項目がありました。そのときは中耳炎がなぜ自閉症に関係するのか分かりませんでしたが、こうやって学会などに参加して勉強していくうちに徐々に理由が理解できるようになりました。
抗生物質は悪い細菌を殺し、時には命を助けます。しょんしょんも抗生物質によって髄膜炎を克服できました。しかし抗生物質の投与は、良い細菌まで殺してしまうことにもなり、腸内フローラの変化という形で悪影響を残すことがあります。
このブログを読まれているママさんの中にも、お子さんが小さいときに医者から長期間にわたって抗生物質を処方された方がいらっしゃるようです。日本では抗生物質を処方されることが非常に多いようですが、上記のような理由で、自閉症児にはなるべく使わないようにしたほうが無難だと思われます。
今回の学会で新たに学んだ腸内環境を整える方法に関しては、いずれまた。みなさんから送られてきた質問にも近々回答するつもりです。
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