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アメリカ発 「Autism is Treatable ~自閉症は治療可能~」の実践

これは日本で自閉症児を育てているママ達に、アメリカの自閉症治療法について情報を提供するためのブログです。メールで受けた質問への回答を載せています。
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Summer

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2024/04/20
07:42
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2012/03/02
04:18
しばらく休止のお知らせ

気が付いたら、もう3月・・・。このブログだけでなく、新しいサイトの作業も止まったまま、毎日が忙しく過ぎて行きます。困ったことに、最近はもうブログについて考える時間と気持ちの余裕がありません。内容的にも行き詰ってきているし・・・。なので、しばらくの間、更新を休止させてもらおうと思います。
 
こんな中途半端なブログでも、私がアメリカで行っている自閉症治療について読むのを待ち望んでいる方がいらっしゃったとしたら、本当に申し訳ありませんm(__)m 今日のこの更新の後は、どうかしばらく時間をください。
 
 
ただ、私としても一度やろうと決めた情報発信を中途半端で止めるのは非常に悔しいので、生活が落ち着いてから、たぶん2,3ヶ月後には、今よりもっと分かりやすいウェブサイトを別に立ち上げよう思っています。こういう無料ブログは楽だけど、思った以上に書きにくい。記事がどうしても時系列で並んでしまうので、私がブログでやりたいことを実現するのは難しいようです。きっと読者の方々も読みにくいと思っていらっしゃると思います。だから、これからは自分が納得できるサイト作りを目指します!もちろん今の生活がもう少し落ち着いて、自分の時間が作れるようになってからの話ですが・・・。
 
さて、しょんしょんはますます成長し、言葉の発達も著しいです。最近は自閉症治療を少しずつ止めて行く方向に向かっています。例えば、ビタミンB12注射はすっかり止めました。他のサプリも、なくなったものから止めていってます。今はひとつずつ止めてみて、様子を見る段階に来ていると思っています。(注:GFCFダイエット、消化酵素、マルチビタミン・ミネラル、プロバイオティクス、そしてオメガ3はまだまだ止めるつもりはありません。)
 
でも、自閉症治療に費やす時間が減るのとは反対に、違う方面でやらないといけない仕事が増えていっています。例えば、この先どのようにしてしょんしょんの学力を上げていくか、教育方針を決めていかなくてはなりません。最近の私は、しょんしょんが今年8月から行く学校(キンダー)探しに奮闘しています。現在4年生のしょん兄(しょんしょんのお兄ちゃん)が5年生から遠くの学校に転校することになったので、それに伴ってしょんしょんの学校も新たに探すことになりました。こう言うとしょん兄の学校を優先させているように聞こえるかもしれませんが、実は発達障害や教育の専門家の話を聞いていくうちに、言葉に遅れのあるしょんしょんでも公立小学校以外に選択肢があり、むしろ独自性を持った学校の方が合うかもしれないと考えるようになりました。
 
アメリカには公立以外にも、私立や学費のないチャータースクールなど、様々な特色を持った学校が多数あり、生徒や親はニーズに合わせて自由に選ぶことができます。数学やサイエンスに力を入れる学校、音楽やアートを重視した学校、一定のIQを持つギフテットの子だけが入れる学校、生徒たちを競争させてテスト点数を上げるのが目的の学校、机に座ってやる学業よりも実践(ハンズオン)を多く取り入れ学力向上を目指す学校、自然との触れ合いを中心にして心の発達を重視する学校、モンテソーリ教育の学校、宗教理念を教える学校、などなど・・・。本当にびっくりするぐらいユニークな学校があります。各学校の教育方針があまりにも違うので、親は新学期の半年以上前から学校を訪問したり、資料を取り寄せたり、説明会に出たりして、各学校の教育方針や評判を調査します。定員数より申込数が多いことがほとんどなので、教育を大切に思う親は、何校も同時に願書を出すことになります。願書を出すためには、予防接種や出生証明証のコピーを用意したり、たくさんの必要書類に記入したり、書類を受け付けてもらうために学校前の長ーい列に何時間もならんだりと、やることがいっぱい。各学校ごとにやり方も提出日も違うので、親にとって学校探しはそれはそれは大仕事です
 
今年に入ってから、私は二人の息子のための学校選びにたくさんの時間を費やしています。しょん兄の場合は受験もありました。しょんしょんの場合はIEP(Individualized Education Plan = 障害を持つ子が特殊教育を受けるための書類)を持っているので、学校探しはしょん兄より何倍も難しいです。現在、しょんしょんのためには4つの学校に願書を提出してあります。でも、受け入れてくれる学校があるかどうかはまだ分かりません。どこも受け入れてくれなければ必然的に近所の公立小学校に入ることになり、そこが合わなければホームスクールを始めようと考えています。
 
ちなみに、私がしょんしょんにとって良いと思う学校は、以下のような要素を持っている学校です。
 
  • 平均的にできる事が良いとは考えず、出来る科目に凸凹があっても、それを尊重してくれる。つまり生徒一人ひとりの特性やニーズを理解し、尊重してくれる。
  • クラス全体の学習目標を作ってそれに沿って教えるのではなく、生徒個人個人の学習目標を別々に作り、生徒と先生と親がチームを組んで協力しながら目標を達成していく(Individualized Learning)。
  • 教師が教室の前に立って一方的に教えるのではなく、生徒個人が自由に学べる空間を作り、教師は生徒のそばに来てやり方を見せたり、ヘルプしたりしながら、間接的に導く教育法を使っている(Student-Centered Learning)。
  • 教科書や紙やエンピツは極力使わず、実際に見て、触って、実践して、生徒自らに発見を与えるような指導をする。
  • じっと座る事を強制せず、自由に動き回ったり、時には寝転んで作業をしても良いように教室が工夫してある。
  • 生徒達が自由に発言・質問をするのを歓迎し、生徒達の自主性を養おうとする。
  • 先生と親の個人面談が最低でも各学期に1回あり、子供の学校での様子、学力の向上程度を詳しく教えてくれる。また先生と親がメールでいつでもやり取りができる。
 
もしかすると日本に住む方は「こんな学校あるはずない!」と思われるかもしれませんね。でも実際は上記全てを満たした学校がアリゾナ内にすらいくつか存在します。しょんしょんが現在通っている大学付属の幼稚園も上記のような教育方針をとっていて、私はとても満足しています。しょん兄も同じ大学付属幼稚園へ行きましたが、紙やエンピツを使って勉強した経験が一切なく、英語もまともに話せなかったくせに、公立の普通のキンダーに入ってから英語も算数も驚くほど優秀でした。子供を同じ幼稚園へ行かせた他のお母さん達と話をしても、「うちの子勉強していないのになぜかとてもよくできる」と同じような驚きの話をよく聞きます。
 
つまり、教育法の選択は非常に大切。どのような教育法で育てるかによって、子供の学力に大きな違いが表れるようです。どのような学習方法が有効なのか、アメリカではたくさんの教育学の専門家が研究・実験しています。そのような研究では、今まで当たり前のように行われてきた教師が前に立って教えるTeacher-Centered Learning法には欠点がたくさんあることも証明されているようです。私は最新の研究結果を大いに参考にし、新しい教育法を取り込もうとする学校が素晴らしいと思っています。ちなみに、このような教育方針を持つ学校は私立だけではありません。私が知る限り、むしろ学費のないチャータースクールのほうが多いです。
 
上にも書きましたが、しょんしょんがこのような教育方針を持つ学校(←我が家は私立は無理なのでチャーター)にキンダーからも入れてもらえるかどうかはまだわかりません。IEPを持っているために壁は高そうです。でも私は諦めません!遅れがあるしょんしょんだからこそ、本当に合った学校を探すことが何よりも大切だと思っています。
 
そんなこんなで忙しくしているので(他にも旦那の仕事の手伝いとか確定申告とか家探しとか、やることいっぱい・・・)、今はまだ先が見えない状態ですが、新サイト立ち上げまでどうかもうしばらくお待ちください。まともに更新していないというのにちょくちょく覗いてくださっている皆様には心から感謝しています。アメリカの自閉症治療について書いているブログは他にもたくさんあるようですが、私も自分なりのやり方や解釈を日本語で説明することで、少しでもたくさんの親達の参考にしてもらえれば嬉しいと心から思っています。
 
新サイトのURLは、立ち上げ次第このブログに載せるつもりです。興味のある方は、数ヵ月後にまた覗いてみてくださいね。
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2012/02/10
15:12
最新の自閉症治療研究: 自閉症の子供/大人に対する、ビタミン/ミネラルサプリの有効性

私がアリゾナ州立大学の自閉症治療研究者であるDr. James Adamsを信頼していることは以前にもこのブログに書きましたが、去年12月、彼が素晴らしい研究結果を発表したので、今回はそれを紹介しようと思います。
 
欧米では自閉症治療にビタミン・ミネラルなどのサプリを使うことが一般的になりつつありますが、有効性を証明する科学的な研究は他の病気の治療に比べるとまだまだ少ないのが現状です。この"科学的な研究が少ない"という事実が、自閉症のバイオメディカル治療に異論を唱える人達の一番の論点になっているようです。Dr. Adamsはそのことを十分理解し、少しでもたくさんの科学的証明を増やそうと頑張っておられる研究者の一人です。
 
Dr. James Adamsはご自身でも自閉症の娘を抱えておられ、2004年ごろから栄養療法やその他の治療法の有効性について積極的に研究されてきました。今日ここに紹介するのが、彼の栄養療法(サプリ摂取)に関する最新研究結果です。以前紹介したSyndionというマルチビタミン・ミネラルサプリが実験に使われています。数字的にもはっきりと有効性が確認できたようなので、次回のARI学会でも大きく取り上げられることになるのではないかと思っています。
 
個人的な意見ですが、「自閉症に治療法がある」という認識が非常に薄い日本の自閉症関係者(医師、栄養士、養護施設の先生など)には、ぜひ読んでもらいたい論文だと思っています。日本語訳がないので英語が読める方に限られてしまいますが、もしこのブログを覗いてくださっているみなさんが自閉症に治療があることを一人でも多くの人に知ってもらい、一人でも多くの治療者・研究者が日本に増えて欲しいとお考えなら、ぜひお近くの自閉症関係者に一読を勧めてみてください。草の根運動的な発想ですが、自閉症治療がほとんど知られていない日本では、周りの人達に欧米での治療法について話題にしていくことが、自閉症児を持つ親が出来る一番の方法ではないでしょうか。

 

Effect of a vitamin/mineral supplement on children and adults with autism

James B. Adams, Tapan Audhya, Sharon McDonough-Means, Robert A. Rubin, David Quig, Elizabeth Geis, Eva Gehn, Melissa Loresto, Jessica Mitchell, Sharon Atwood, Suzanne Barnhouse and Wondra Lee

BMC Pediatrics 2011, 11:111 doi:10.1186/1471-2431-11-111 Published: 12 December 2011

 
実際の論文はこちら↓からアクセスしてください。
(注:過去に「今までアクセスできていた論文が、突然見れなくなった」ことが何度もあったので、日本の自閉症関係者に紹介するならなるべく早く、もしくは万が一のためにプリントしておいたほうが賢明かもです。)
 
以下はこの研究の簡単な要約です(私の下手な翻訳ですみません・・・)。実際の論文には研究方法と結果に関する詳しい情報たくさんが入っており、医学を知る人しか理解できないと思われる箇所もありますが、英語自体はそんなには難しくないと思うので、できればご自分でもオリジナルを読んでみてください。
 
研究方法
この研究では141人の自閉症スペクトラム障害(PDD-nosやアスペルがーも含む)の診断を持つ子供と大人が被験者として集められ、一つのグループにはビタミン・ミネラルのサプリ(Syndion)を、もう一つのグループにはプラセボ(偽のサプリ)が与えられた。実験期間は3ヶ月間。被験者は過去2ヶ月間にビタミン・ミネラルのサプリメントを摂っていない人達。サプリを与える前と後に、自閉症の症状と重症度を測るためのテストが行われた。一部(53人の5-16歳の子供)の被験者には、実験の前と後に採血と採尿による栄養と代謝の検査も行われた。
 
結果
ビタミン・ミネラルのサプリの経口摂取は、自閉症スペクトラム系の診断を持つ子供/大人の栄養と代謝、そしていくつかの自閉症の症状を著しく改善することが実証された。栄養・代謝に関して特に改善が見れらたのは、ビオチン、グルタチオン、Methylation(メチル化反応)、酸化ストレス、Sulfation(硫酸化)、ATP(アデノシン三リン酸)、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、そしてNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)。親によるParental Global Impressions-Revised (PGI-R)の評価によると、自閉症の症状の中で改善したのは、ハイパーアクティビティ、癇癪、総括、そして言語の受容性(改善度の大きかった順)。これらはサプリを摂ったグループは著しく改善したが、プレセボを摂ったグループはほとんど改善が見られなかった。PGI-R以外の3つの評価ではサプリとプレセボのグループに統計的に有意な結果がみられなかったが、もっと長期にわたって実験をすれば、もっと大きな効果が見られるかもしれない。

 
現在Dr. James Adamsは、彼の次なる研究(3ヶ月ではなく、1年の実験期間のもの)のために、被験者(= 診断を持っている人と、持っていない人の両方)を募集されている最中です。実験に参加すると$99分のギフトカードがもらえるし、きっと勉強にもなると思うので、しょんしょんにもぜひ参加させたいところですが、すでに2年以上サプリを摂って改善しているしょんしょんは、どう頑張っても被験者にはしてもらえません・・・(T_T) 残念ですが、次の研究結果を楽しみに待つだけにしようと思います。
 
Dr. James Adamsの研究についてもっと詳しく知りたい方は、http://autism.asu.edu/へどうぞ。
 

2012/01/30
16:37
しょんしょんについて

またまたご無沙汰してしまいましたm(__)m 
実は、このブログとは別に、もっと分かりやすいウェブサイトを立ち上げようと作業を始めていたのですが、そうこうしている間に他の用事でどんどん忙しくなり、ブログも新サイトも進まぬまま、時間だけがどんどん過ぎていってしまってます・・・(>_<) どうすれば限られた一日の時間をもっと効率よく使えるのか・・・。今の私にとって一番の課題です。
 
さて、今回はまたしょんしょんについて書かせてください。でも今回は近況報告ではなくて、しょんしょんの出生地と家族、日々のスケジュールなど、基本情報(?)について。本当ならブログを作る際、一番最初に書いておくべき内容だと思うのですが、なんせ当初はみなさんからの質問への返答を載せるだけのつもりでしたから、そこまで頭が回りませんでした。今更ですが、しょんしょんのことをもう少しよく知ってもらうために、ぜひ読んでみてください。
 
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しょんしょん
 
2007年5月7日、アメリカのアリゾナ州で生まれました。現在4歳。
 
アメリカ生まれとはいえ両親とも日本人ですから、しょんしょんは純粋な日本人。朝青龍を小さくしたような顔立ちです。現在はアメリカと日本の両方の国籍を持っていますが、22歳までにどちらかを選ぶことになるようです。
 
生後6週間で初めて日本へ行ったのを皮切りに、毎年5~7月の2ヶ月間を日本で過ごしています。つまり1年のうち、アメリカで10ヶ月間、日本で2ヶ月間生活しているということです。日本のお家は神奈川県にあります。
 
しょんしょん一家のアメリカ生活は、家の中に限って言うと、ほとんど日本に住んでいるのと同じ。日本語で話し、日本食を食べ、日本語の本を読み、日本語のテレビを見る。オモチャもスーパー戦隊、仮面ライダー、ウルトラマン、アンパンマン、ドラえもんなど、日本のものばかり。GFCFをやっているので、外食も日本食がほとんど。お友達もやはり日本人が多い。アメリカに住みながら日本の文化を全うしているといった感じでしょうか。
 
家族構成はダディ、マミー、お兄ちゃん、しょんしょんの4人。アメリカには親戚が誰もいないので、サンクスギビングやクリスマスは毎年寂しい思いをしています。
 
しょんしょんのダディはある分野の研究者。博士課程からアメリカに来て、そのまま大学で仕事をしています。しょんしょんに広汎性発達障害の診断が出て、初めて自閉症スペクトラム障害についての説明書を読んだとき、ダディは「あれ?これって僕にもいっぱい当てはまるねぇ~」と言いました。それを隣で聞いていた私は「ハッ」と固まった!それまでダディについて謎に思っていたあらゆることが、一気に理解できた瞬間でした・・・(-_-;) (ちなみにダディは小児喘息から始まり、現在に至るまで、相当なアレルギー体質です。)
 
5歳年上のお兄ちゃんはフィギュアスケートのビギナー選手。バイオリンとピアノを弾き、学校ではギフテッド。Math(数学)とNon-Verval Reasoning(目で見た情報を理解する能力)が特に長けているそうですが、小さいときから大きい音に異常に反応する、生理整頓が全くできない、落し物・忘れ物が異常に多いなどの特徴があるので、「この子もスペクトラム色がかなり強いなぁー」と少し警戒しています。
 
しょんしょんは赤ちゃんの時からしょっちゅう高熱を出す子でした。生後4週間のとき発熱してERへ。8ヶ月のときは髄膜炎でER→3日間入院。1歳を過ぎてから頭を床に打ち付ける自傷行為が始まり、癇癪や多動がどんどんひどくなりました。歩き出したのは10ヶ月と非常に早かったのですが、2歳になっても一向に話さず、2歳5ヶ月で左耳が聞こえていないと診断されました。その後全身麻酔でやった脳波の検査では両耳とも聞こえていると逆の診断が出ましたが、スピーチセラピーや作業療法を始めても改善はほとんど見られませんでした。その頃の遊びといえば、Blokusというゲームの小さいピースをひたすら並び続けたり、レゴを同じ色だけ集めてつなぎ続けたりするだけ。並べたりくっつけたりする作業なら、無理やりやめさせるまで何時間でもやっていました。一度ベビーシッターに預けたとき、「しょんしょんくん、4時間ぶっ続けでレゴをつっくけて遊んでいた!」とビックリされました。そして2歳8ヶ月のとき、広汎性発達障害の診断がおりました。
 
その後の治療についてはこのブログの他の記事に書いていますし、これからも更に詳しく「具体的に何をやったか」について書いていければいいなーと思っています。ここではしょんしょんが診断後どのような生活を送っているか、簡単に書いておこうと思います。
 
2歳のときは州の支援サービスを通して、スピーチセラピスト、作業療法士、そしてDevelopmental Special Instructor(=様々な遊び方を教えてくれるセラピスト)に家まで来てもらい、セラピーを受けていました。それぞれ週一でしたが、全て無料でした。
 
3歳になる以前に、発達小児精神科医から「At Rist for Autism(自閉症の可能性)」の診断をもらっていましたが、州のサービス機関のからは「特別施設に入らないといけないほどシビアな状態ではない」という判断が下され、無料サービスは3歳になったと同時に一切受けられなくなりました。その頃すでにアメリカ経済はひどく落ち込み、州の財政が深刻な状況に陥っていたので、自閉症の診断が出たぐらいでは州の無料サービスは受けられなくなっていました。(こういう公共サービスの規定は、どうも州によってずいぶん違うようです。もしカリフォルニアに住んでいたらABAなど手厚いサービスが受けられたのかもしれませんが、アリゾナではどんなに頑張って「この子は発達障害があるから特別なサービスが必要だ!」と主張しても、受け入れてもらうことは出来ませんでした。)
 
しかし学校区による発達検査では「確実に発達(特に言葉)の遅れがある」と判断され、特別学級に無料で入れることになりました。集団生活で言葉や社会性を育てるのはなるべく早いほうが良いと思い、3歳のお誕生日の3日後から特別学級の幼稚園に行き始めました。
 
とはいえ、特別学級は午前8時~10時半の1日2時間半だけ。週4日行きますが、それだけでは「しょんしょんが5歳になるまでにキンダーの普通学級に入れるレベルにさせる!」という私の目標を達成するには脳への刺激が十分ではないと判断し、特別学級に加えて、上の子も通っていた大学付属の幼稚園にも行かせる事を決めました。また、しょんしょんにとっては日本語が第一言語になるため、日本語教育も不可欠だと考え、日本語の幼稚園にも週一で行かせることにしました。
 
3つの幼稚園の上に、ABAを基本としたスピーチセラピーにも週に一度、自腹で通い始めました。一回45分で$100ですから、月に$400~500。だんだんと経済的に負担になってきたので、3歳半で言葉が出始めたの確認した後、4歳になる直前でスピーチセラピーは止めました。
 
習い事はお兄ちゃんの影響で2歳半の頃からアイススケートを習っています。去年の10月(4歳半)からは、英語に慣れさせるために、公文にも通い始めました。
 
ということで、現在のしょんしょんの週間スケジュールは以下のようになってます。
 
月曜日:
8 AM -10:30 AM 学校区の特別学級
11 AM - 5 PM 大学付属の幼稚園
5:30 PM - 6 PM 公文
 
火曜日:
8 AM -10:30 AM 学校区の特別学級
11 AM - 5:30 PM 大学付属の幼稚園
 
水曜日:
9:45 AM - 10:15 AM アイススケートクラス
1:30 PM - 4:30 PM 日本語の幼稚園
 
木曜日:
8 AM -10:30 AM 学校区の特別学級
11 AM - 5:30 PM 大学付属の幼稚園
 
金曜日:
8 AM -10:30 AM 学校区の特別学級
11 AM - 3:30 PM 日本人のお友達とプレイデート
4 PM - 4:30 PM 公文
 
「まだ小さいのに、こんなハードスケジュールにして!」と避難の言葉を浴びそうですが、私はしょんしょんに発達障害があるからこそ、あえてこのような忙しい毎日を送らせることを決めました。障害があるなしに関わらず、小さい脳は日々発達しています。脳というのは様々な刺激を受けることで発達するのです。「障害があるから・・・」と家に閉じ込めていてはいけないと思います。もちろん、外に出たら人に迷惑をかけることもあるし、冷たい目で見られることもあります。でもそれを怖がっていたら、発達するものも、しなくなる。脳内の神経細胞が特に活発化している小さいときにこそ、たくさんの刺激をあげないといけないと私は考えています。
 
しょんしょんの写真。初公開!


しょんしょん幼稚園写真_01

2012/01/15
03:44
カゼイン除去を始めてカルシウム不足が気になっています。もしおすすめのものがあればおしえていただけますか?

この質問、ずいぶん前にいただきましたが、うっかり答えるのを忘れていました。すみません・・・。
 
一般的に知られているように、カルシウムは骨や歯を作るのに大切なミネラルです。神経を安定させる働きもありますから、自閉症児にとっても大切な栄養素のひとつだと言えます。カルシウム不足によって引き起こされる深刻な病気の例として、くる病、骨粗しょう症、歯周病、筋痙攣、脳卒中、心悸亢進、震え、高血圧症、不眠症、不安、脆弱爪などがあるそうです。カゼイン除去食を始めて乳製品を一切断っている方は、牛乳・乳製品以外の形でカルシウムを摂ることが必要になってくるかもしれません・・・。
 
今、"なってくるかもしれません・・・"消極的に書きましたが、それは「そもそもカルシウムを摂ることは本当に健康に必要か?」という疑問があるからです。私が今までに聞いた医師や栄養士の話の中には、カルシウムをたくさん摂る国ほど骨粗しょう症や骨折、動脈硬化性疾患が多いという驚くべき研究結果がありました。例えばアメリカ、スウェーデン、フィンランドなど、牛乳をたくさん摂る国には、骨粗しょう症や骨折が極めて多いそうです。日本も戦後、牛乳の消費量が増えるとともに骨粗しょう症が増え続けているそうです。反対に、カルシウムを少ししか摂らない植物食で生きている国はの人達は、骨がとても強いとのこと。つまり、私達は今まで「骨を強くするためにはカルシウムが豊富に含まれている牛乳や乳製品を摂るべきだ」と教育されてきましたが、実際はそうではないかもしれないということです。
 
牛乳が悪い理由のひとつとして、人間には血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあるということが関係しているようです。牛乳を飲むと血液中のカルシウム濃度が一気に上がりますが、そうすると体は一定濃度を保つために、今度は余分なカルシウムを体外に捨てる方向に働きます。そして捨てすぎて、また足りなくなる。足りなくなったカルシウムをどこから補うかというと、なんと骨から。つまり、カルシウムを摂れば摂るほど、骨からカルシウムが抜けていく、ということになるそうです。
 
このように書くと、「では、カルシウムは一切摂らないほうがいいのか?」となりますが、実際のところどうなのか、私のような人の言っている事を聞いているだけの素人には結論が出せません。ご存知の様に、世界中のほとんどの医師・研究者は「カルシウムはきちんと摂るべきだ(食事で補うべきだ)」と言っています。私が尊敬するARIの研究者・栄養士達も、食品・サプリからカルシウムの摂取を薦めている人がほとんどです。でも上記のように、そうではないと主張している研究者もいて、理由を聞くといやに納得させられてしまう・・・。結局、研究者達の間でも意見が違い、今もまだはっきりとした結論が出ていないということだと思います。私達がどう行動すべきかは、各自が何を信じるか?聞いたことをどのように評価するか?にかかってきます。
 
 
牛乳・乳製品がだめなら、小魚からカルシウムを摂れば良いのでは?と思う人がいるかもしれませんが、困ったことに、これに関しても研究者の意見が分かれます。ある研究者は「動物食はビタミンDを含まれているので、体内でカルシウムを強制的に吸収させてしまい、骨回転率が高まって骨の細胞が死んでいくので悪い」と言っています。しかし他の研究者は「ビタミンDには血液中のカルシウム濃度を一定に保ち、カルシウムが必要以上に排泄されないように調節する働くがあるので良い」と言っています。一体どちらが正しいのでしょうか・・・(-_-;)
 
ひとつだけ、おそらくどの研究者も賛成してくれるだろうと思われるカルシウムの接収法があります。それは、小松菜や大根の葉っぱなどの野菜と、こんぶやわかめのような海草からカルシウムを摂ること。私はこれまでに野菜と海草に関して悪い研究結果を聞いたことがありません。残念ながら私達が住むアリゾナでカルシウムを多く含む小松菜や大根をゲットするのは難しいのですが、海草は日本食料品店で買えるので、なるべく料理に使うようにしています。
 
カルシウム補給に関して、もうひとつ知っておいてもらいたいことがあります。それはカルシウムがきちんと吸収され働くためには、上記のビタミンDの他に、マグネシウムも大切だということ。マグネシウムが不足すると、カルシウムが骨に吸収されなくなるそうです。マグネシウムを多く含む食品は、ごま、ひじき、大豆、玄米など。他にもあると思うので、ぜひご自分でも調べてみてください。
 
上記を総合すると、カルシウムを安全な形で効率的に補給するためには、カルシウム、ビタミンD、マグネシウムを多く含む野菜と海藻類を、毎日の料理にたくさん入れ込むことだと思われます。何度も言うようですが、野菜と海草をたくさん使う日本食は本当に素晴らしい。欧米から近年入ってきたような洋食はなるべく少なくして、昔ながらの日本料理を家族みんなでたくさん食べるようにしたいものです。
 
いつもの様に非常に長い文章になっていますが・・・(-_-;) 
 
最後に自閉症治療をやっている場合、カルシウムをどう摂取すべきかについて私なりの考えを書いておきたいと思います。上記のように、我が家では海草、大豆、ごま、玄米などを使った日本食料理をたくさん作るように日々努力していますが、それに加えてカルシウム、マグネシウム、ビタミンDのサプリもしょんしょんに摂らせています。それは、バイオメディカル治療を徹底的にやると決めた以上、摂り過ぎを心配するより、必要量を摂らないために治療が遅れることの方が怖いという考えからきています。また、カルシウムの摂取が本当に骨粗しょう症や動脈硬化の原因だったとしても、まだ4歳のしょんしょんにはそんなに関係がないのでは?万が一問題になったとしても、大きくなってから対処しても遅くはないのでは?という、私個人の勝手な判断からきています。
 
しょんしょんはカルシウムとマグネシウム補給のために、Child LifeのLiquid Calcium with Magnesiumという液体サプリを一日2回、大匙1杯ずつ飲んでいます。この製品が品質上特に良いというわけではありませんが、甘いオレンジの味が強いので、一緒に摂る他のサプリの嫌な味を緩和してくれるから重宝しています。このサプリによるしょんしょんの一日のカルシウムの摂取量は約500mgです。アメリカでは4-8歳児のカルシウムのRDA(推奨栄養所要量)は800mgと言われていますから、食品から摂ることも考えると、なかなか妥当な量だと思っています。マグネシウムについては、しょんしょんは毎日サプリから約230mgを摂っていて、RDAで推奨される量の130mgを上回っていますが、栄養士のDana Laakeさんによると、治療には150mg-600mgが必要らしいので、これも妥当な量ではないかと考えています。ビタミンDに関しては、摂取の大切さと、多量に摂っても毒性の心配が少ないことを以前の記事に書きましたので、そちらを参考にしてください。
 

2012/01/04
14:59
しょんしょんママについて

新年、明けましておめでとうございます。
今年は天変地異などなく、穏やかな年になることを心からお祈りします。
 
さて、新年最初の記事ですが、今更ながら自己紹介というか、私が自閉症治療を始めた経緯などについて書かせてさせてもらおうと思います。このブログは日本で自閉症児を育てている知り合いのママさん達に向けて始めましたが、今では私の知らない方々もちょくちょく覗いてくださっているようです。そういう方々は、自閉症治療についてごちゃごちゃと長文を書いている私を「一体何者???」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。これまた長ったらしい文章になりそうですが、よろしかったらご参考までに読んでみてください。
 
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HN: Summer
 
1989年、音楽と英語の勉強のため、初めて渡米。1991年からロサンゼルスに本格的に移住し、二年制カレッジに入学。そこで出会ったのがPsychologyという学問!音楽という当初の目的を忘れ、科学的アプローチが中心のアメリカのPsychology(心理学)にどっぷりはまってしまいました。
 
ASとAAの学位取得後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に心理学専攻で入学。Abnormal Psychologyの授業で初めて自閉症について詳しく学び、とても興味を持ちました。その頃はまだ自閉症が"スペクトラム"であるという概念がはっきりとした形では示されてなかったのですが、学ぶうちに「"ここからここまでが異常、ここからが正常"といった定義は自閉症には当てはまらない。人はみなある程度自閉症的な行動や考え方を持って生きている」ということに気付き、人をより深く理解するためにも自閉症の勉強をもっとしたくなりました。そしてABA療法のパイオニアであるDr. Ivar Lovaas本人の講義を取り始め、自閉症に治療法があることを知って、とても驚きました。それまでは「自閉症の原因は未だに分かっていない。治療法はない」というのが当たり前だと思っていました。Dr. Lovaasといえばその頃すでに近寄りがたいほどの超有名教授でしたが、実際の彼はまるでコメディアン。強いノルウェー訛りの英語で、ジョークを言ったり歌ったり。彼が壇上に立つときは、いつも講堂が笑いの渦。「この人、本当にかの有名なDr. Lovaas?」と疑いたくなるほどでした。しかし1970年代・1980年代に行った自身の研究ビデオの中に出てくる彼は気難しいほど真剣に自閉症児を相手に治療に取り組んでいて、それには圧倒されっぱなし。近年はDr. Lovaasの研究結果に疑問を投げかけている研究者が多くなってきましたが、あの頃の私は彼のABA行動療法の研究にただただ感激し、一時はABAセラピストの道を進むことも真剣に考えました。でも「私の日本語訛り英語で週40時間のセラピーを行うのは無理・・・」と、結局諦めてしまいました。
 
その後、「メラビアンの法則」で有名なDr. Albert Mehrabianの下でPersonality Scale(性格判断基準テスト)を作る勉強をしたのですが、そのときにも「人の行動や考え方というのは本当に様々であり、何が正常で何が異常と決められるものではない。多々ある性質をそれぞれスペクトラム上に置き、それらの度合いの違いによって、人の個性が出来る」といったことを学びました。Dr. Mehrabianはエンジニアリング的な要素の強い研究者で、人の行動や感情、コミュニケーションを細かく分析するのを得意とされてましたが、自閉症についても何度かレクチャーで話されました。自閉症は人間の性質の一部にすぎないとした彼の考え方に、とても納得したのを今も覚えています。独自性と頑固さが目立つ教授でしたが、彼からは本当にたくさんのことを学びました。それは今も私の考え方に大きく影響しています。
 
UCLA卒業後は、社会心理学教授のDr. Curtis Hardinの下でRA (Research Assistant)として大学に残り、博士課程に入ることを目指していました。しかし、だんだんと「私がやりたいのは、本当に心理学博士の学位を取って研究と授業を続けていくことだろうか?」と疑問を持ち始めるようになりました。その頃一緒に暮らしていたボーイフレンド(今の旦那)が博士課程で大変だったため、二人の生活を支えるためには私が本格的に働かなくてはならなくなり、結局RAは1年で止め、ある企業に就職し、私の人生は心理学とは離れた方向へ進んでいきました。
 
自閉症と再度出会ったのは、上の子が3歳になって幼稚園に入った2005年。クラスメイトにベンジャミンという自閉症の子がいました。ベンジャミンのお母さんは台湾人、お父さんは日系3世で、同じアジア人同士ということで親子揃って仲良くなりました。3歳の頃のベンジャミンは自閉症的な症状が多く、お友達と仲良く遊ぶのは難しかったし、癇癪も多かったのですが、それでも上の子は見た目が自分と良く似たベンジャミンに親近感を持っていました。ベンジャミンのお母さんから「自閉症治療をやっている」と聞いたときはすっかりDr. LovaasのABA療法のことだと思い込んでいたのですが、彼女の口から出てくるのは私が聞いたことのない話ばかり。GFCFダイエットやら、ビタミン注射やら、水銀の除去やら、何を話しているのか初めはチンプンカンプンで、不信感すら持ったほどでした。それが「バイオメディカル治療」だったわけですが、実際にベンジャミンが2年間で遂げた変貌振りを身近で見て、その新しい治療法の凄さには本当に驚かされました。3歳のときにほとんど話さず叫び声をあげてばかりだったベンジャミンが、5歳にはおとなしくてにこやかな子に変わり、小学生になってからは診断をなくし、ギフテッドプログラムに入って2学年ほど先の勉強をするようになりました。(注:ベンジャミンに効果があったのはバイオメディカル治療だけではありません。実際はABA療法やスピーチセラピー、ミュージックセラピーなど、様々な治療法を掛け合わせた結果だと思います。)
 
このブログの主人公・我が家の次男のしょんしょんが生まれたのは2007年5月。頭を床に何度も打ち付ける自傷行為が始まったのが1歳~1歳半頃の2008年。言葉は全く出てこないし、癇癪もスゴイ。何かがおかしい、上の子とは全然違う、と感じてはいたのですが、小児科医に相談しても「バイリンガルの環境に育っているから言葉が遅れているのでしょう。頭を打ち付けるのは、そういう子に多い症状です」などと言われました。1歳半の時にやった自閉症テストも難なくパスしていたので(簡単な質問表に答えただけでしたが)、私自身もしょんしょんと自閉症を結びつけることはありませんでした。しかし2歳3ヶ月を過ぎた頃、親の勘とでもいうか、「絶対何かとんでもないことになっている!」と無性に心配になり始め、いてもたってもいられなくなりました。耳鼻科での聴覚検査から始まり、全身麻酔での脳波の検査、州のサポート機関による言語テスト、スピーチセラピーなどを経て、結局2歳8ヶ月の時に発達心理学者によって広汎性発達障害(PDD-nos)との診断が出されました。しょんしょんが自閉症ではなく、広汎性発達障害と診断された理由は、コミュニケーションと行動には問題が見られたものの、認知度(Cognition)に関しては大きな遅れが見られなかったことにあるようです(当時の認知のDQ=85)。
 
診断が出たときに私がすごくショックを受けたかと言うと、実はそうでもありません。上記のように、自閉症には治療法があるとすでに知っていたからです。自閉症よりも、聴覚に問題があることのほうをもっと恐れていました。2歳5ヶ月でやった最初の聴覚検査では左耳が聞こえていないと診断されていました。その後の脳波検査では両耳とも聞こえているとの結果が出ましたが、一向にしゃべらないことには変わりがなかったので、いつまでも心配でした。ですから、しょんしょんの発達の遅れが聴覚障害ではなく自閉症スペクトラムのためであると判明した時は、母の私としては「やるべきことがやっとはっきりした。あとは行動あるのみ!」と、ちょっと安堵したような気持ちになりました。そして、すぐにベンジャミンのママに連絡を取り、最新の治療法(バイオメディカルと新しいABA療法)について改めて教えてもらい、読むべきだと言われた文献は全てゲットしました。アリゾナで受けられるサポート組織・グループにもくまなく連絡を取り、しょんしょんの治療を中心とした我が家の新しい生活が始まりました。
 
*********************************
 
2012年1月。しょんしょんが治療を始めてから2年が経ちました。言葉の遅れ以外は自閉症的な症状がほぼなくなったしょんしょん。ベンジャミンの様に診断をなくすまでになるのか?それはまだ誰にもわかりません。でもバイオメディカルやABAを通して、しょんしょんが快方へ向かったことは間違いないと思います。もし診断がおりたときに何の知識もなく、何の行動も起こしていなかったら・・・。きっと今のような笑顔のしょんしょんと私はいなかったでしょう。途中で諦めたとはいえ、私が過去に心理学と自閉症に興味を持って勉強したことは一切無駄ではなかったと、今心から思います。
 
まだまだ未熟なブログですが、私なりに学んだことをなるべくたくさん公開していこうと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いしますm(__)m
 

2011/12/31
20:02
Trienzaはカゼイン・グルテン完全除去の食事を取る場合は食べさせる必要はないんですよね?それとも食べてるほうが安心なんでしょうか?

年末はあまりに忙しく、ブログの更新がなかなかできずにいましたが、2011年が終わる前に、せめてもうひとつ質問に答えておこうと思います。書きたいことはいつも頭の中にいっぱいあるし、ブログをもっと分かりやすい形に再構成したいと思っているのに、それをやる時間がないっ!来年はもっと自分の時間が持てるようにがんばってみますので、どうぞヨロシクお付き合いくださいm(__)m
 
さて上記の質問についてですが、ご存じない方のために説明しておくと、TrienzaとはHouston Enzyme社が製造販売している消化酵素のサプリです。自閉症の原因だと考えられているもののひとつに、「グルテンやカゼイン、フェノールなど、食品に含まれるある種の物質が免疫システムによって有害なものだと認識されると、腸に炎症が起こって消化・吸収に異常が起こり、それが体調だけでなく、行動や認知にも影響を及ぼす」というのがあります。TrienzaにはCellulase以外の全ての消化酵素が含まれており、有害になり得るほとんどの物質(タンパク質、炭水化物、デンプン、脂肪など)の分解と、消化・吸収を助けます。結果、腸内の健康と免疫機能が改善され、アレルギーの発生も抑えられて、自閉症の症状が緩和されると考えられています。
 
自閉症のバイオメディカル治療の中で有効性が高いとされている有害物質の除去食(GFCFダイエットなど)。それを徹底してやるなら、私はTrienzaを毎食摂ることをお薦めします。しかしひとつ問題が・・・。Trienzaは他のサプリに比べて値段が高いということ。毎食摂るとなると、家計に負担がかかります。しょんしょんはGFCFを始めてしばらくは毎食欠かさず摂っていましたが、私がGFCF食を用意するのに慣れ、知識も豊富になってからは、完璧にGFCF食になっている確信があるときはTrienzaをあげないようになりました。少しでも節約したくて・・・(^_^;)
 
でも今年10月のARI学会で聞いた話によると、どんなに気をつけていてもCross-Contamination(日本語で相互汚染?)の心配がいつもあるので、100%完璧なGFCFというのは不可能に近いとのこと。例えば小麦粉はグルテンが入っていて使えないから、代わりに米粉を使うとします。でもその米粉を作る際に使う機械というのは、小麦粉を作る際にも使われているというのです。つまり米粉の中にはどうしても微量の小麦が混じってしまう。それは片栗粉やタピオカ粉などでも同じ。Cross-Contaminationが一切起こらないように細心の注意をはらっているような製造会社は、今はまだ少ないみたいです(アメリカの話ですが)。そんな話を聞いてしまうと、やはり消化酵素は毎食あげないといけない気がしてきますよね・・・。
 
ここで、今年のARI学会の際、Houston EnzymeのDr. Houstonから直接聞いた話を書いておこうと思います。Dr. Houstonとは去年(2010年)のDAN学会のときもブース前で立ち話をしたので、私のことを少し覚えていてくださったらしく、今年は去年よりも気楽にたくさんお話することが出来ました。私が日本人で、毎日息子のためにGFCFの日本食を作っている話をしましたら、Dr. Houstonは「わが社の消化酵素の原材料は実は日本から取り寄せている(取引先の会社名を教えてもらいましたが、企業秘密だといけないのでここに書くのは控えます)。日本には発酵食品が多く、酵素や酵母の研究は最先端をいっている。商談で日本へ行ったときに食べたラーメンがあまりにも美味しかったので忘れられない。でも日本は醤油と麵をたくさん使うから、グルテンフリー食は難しいねぇ~」とおっしゃっていました。私が「日本でGFCFをするのに困っている人がたくさんいるけれど、TrienzaはGFCFの代わりになりますか?」と突っ込んで聞きましたら、「ボクは代わりになると思っている。それぐらい消化酵素の効果は大きい」とおっしゃっていました。もちろん社長が自社の製品を悪く言うはずがありませんから、宣伝文句だと思っていたほうが良いかもしれません。でも私が話した限りでは、彼は飾ったところがなく、とても誠実な印象なので、彼が言うことを信じたくなりました。また、「いかにコストを安く消化酵素の効果を得られるか?」聞きましたら、「もしグルテン、カゼイン、大豆などのタンパク質だけを気にするなら、Trienzaでなく、AFP-Peptizyde(DDP-IV)で十分。AFP-PeptizydeのほうがTrienzaより格段に安い。でも、どの物質に大して問題があるかわからない場合は、やはりTrienzaが安心」との返答でした。そこで私はいつものTrienzaに加えて、AFP-Peptizyde(タンパク質分解用)とNo-Fenol(フェノール分解用)を彼から買い、学会後はしょんしょんのそのときの食べ物によって使い分けるようになりました。
 
Dr. Houstonから聞いた話が、みなさんの除去食の参考になれば幸いです。
 
良いお年をお迎えください☆
 

2011/12/20
00:08
しょんしょんの近況(2011年12月18日現在)

久しぶりの更新です。やっぱり12月は非常に忙しい・・・(-_-;) 子供達のイベント(発表会、クリスマスパーティ、学校のプロジェクト等)が連日続いていました。普段お付き合いのある人に贈るプレゼントとクリスマスカードの準備も大変(←アメリカ文化)。そうこうしている内に子供達の学校・幼稚園は先週金曜日を最後に冬休みに入ってしまいました。1月3日の登校日まで二人を退屈させないようにするのにも苦労しそう・・・。
 
みなさんへのメールに「近々しょんしょんの近況をブログにアップします」と書いておきながら、ずいぶん時間が経ってしまいました。すみません・・・(-_-;) 今日は何があっても書きますっ!
 
8月31日に初めてこのブログでしょんしょんについてお伝えしてから約3ヶ月半。この間のしょんしょんの成長には目を見張るものがあります。5歳を目の前に、「ラストスパート!」って感じでサプリを増やしているお陰かもしれません。以下は4歳7ヶ月を過ぎた現在のしょんしょんの様子です。
 
言語
●同じ年の日本人のお友達と比べるとまだまだ発音が曖昧だし、知っている単語数も少ないのですが、うるさいほど話すようになりました。家族や先生、友達との会話が増えたのはもちろんですが、遊びの中でも想像性のある独り言をたくさん言うようになりました。
●以前より長い文章が話せます。言葉の抑揚も徐々に普通の日本語っぽくなってきています。「おにいちゃ~ん、ポケモンバトルやろーよー」、「あ~、おにいちゃん、わるい(こと)したー。マミー、おこって~」、「マミー、おっきいビデオみてもいい?ダメ?いい?ダメ?ダメいったら、わるいひとよー!」、「しょんしょん、きょうがっこいく?いかない?Jaydonとあそべる?やった~っ!」、「しょんしょん、ねぎきら~い。ねぎたべたら、おなかいたいいたいするよー。まみー、たべて~!」など。
●本人は自分に言葉の遅れがあることに全く気が付いていないので、知っている人には遠慮も恥じらいもなく話しかけていきます。でもやっぱり発音が曖昧なので、他人はしょんしょんが言いたいことを理解するのに何度か聞き返す必要があるようです。初めて会う人には必ず4本指を見せて「しょんしょん、フォー(4歳)!」と言って自己紹介します。
●幼稚園の先生のよると、英語でも2~3語文程度話せるようになってきたそうです。レベル的にはせいぜい2歳半程度だそうですが、3ヶ月前はいくつかの単語が言えるだけでしたから、成長の度合いで言うと「Amezing!」だそうです。
●歌が大好きで、お兄ちゃんちゃんと一緒に日本の古いアニメソングなどを歌っています(歌でも発音は曖昧)。中でもドラえもんに出てくる「おれはジャイアン」が大のお気に入り。その他にも変な替え歌を作ったり、自分で作ったメロディーで歌ったりもしています。
 
認知
●家族が話している複雑な内容が理解できるようになってきたので、いろいろごまかせなくなりました。例えば、私やお兄ちゃんが行くところへ自分は連れて行ってもらえないことを悟るようになってしまい、「しょんしょんもいきたい~!」とごねるので、仕方なくどこへでも連れて行かないといけなくなりました。
●10月から公文を始めました。来年のキンダー入学に向けて、せめて簡単なアルファベットと単語を理解させたいと思ったからです。しかし公文の先生の勧めで、まずは数の書き方から始めることになりました。1~20までしっかり書けて、数字を並べると一つの数が出来る(例えば1と2を隣同士に書けば12になる)ことが理解が出来るようになれば、アルファベットを繋げて言葉が出来るというコンセプトを早く習得できるようになるそうです。しょんしょんはお兄ちゃんと一緒に公文に行けることがよほど嬉しかったようで、毎日の宿題も全く嫌がらず集中して数の練習をやっていましたが、最近は同じ宿題に飽きてきて、集中力が欠けてきました。続けることが何よりも大切なので、イヤにならないよう楽しんでやる方法を考えているところです。
●まだまだ下手ですが、自分の名前を日本語でも英語でも書けるようになりました。もちろん、読むことも出来ます。
●ABCの歌は最後まで歌えます。まだ自分の名前以外のアルファベットは書けませんが、英語にアルファベットがあることは理解しているようです。
●数字は、英語なら50まで数えられます。たまに30の発音が分からなくなりますが、十の位の後に一の位が来ることは理解しています。日本語はあまり練習していないので、12ぐらいまでしか言えません。
●日本語の50音は、自発的に言えるのは「かきくけこ」までですが、「しょんしょんの"し"」とか、「りんごの"り"」などのように、単語の中の音が50音から来ていることは理解しているようです。
 
遊び・社会性
●この数ヶ月の成長で何よりすごいのは、しょんしょんが通う3つの幼稚園それぞれで親友が出来たこと!学校区の特別学級(週4日)ではJaydon、大学付属の幼稚園(週3日)ではDarrius、日本語の幼稚園(週1日)ではカズくん。
●特にJaydonが大好きで、家でもJaydonの話をよくします。そして紙とセロテープで自作の便箋(?)を作り、お兄ちゃんに命令してその便箋にJaydon宛の手紙を書いてもらい、幼稚園でJaydonに手渡してはとても嬉しそうな顔をします。Jaydonは障害を持たない子ですが(特別学級には障害を持つ子と持たない子が半々います)、英語をまともに話さないしょんしょんにも嫌な顔ひとつせず仲良く遊んでくれるどころか、彼もしょんしょんを親友だと思っているらしいです(Jaydonのお母さんから聞きました)。ひとつ問題なのは、サークルタイムや一列に並ぶとき、Jaydonの隣にいけなかったらしょんしょんが涙を浮かべてひどく怒ること。「My Jaydon!」と英語で言いながら、Jaydonの隣に割り込んでいくそうです。それには先生達も困り、「Jaydonの隣にいけないこともあるのよ」と毎回説得しているそうですが、頑固なしょんしょんは意地でもJaydonの隣へ行こうとするそうです。この辺は自閉症的なこだわりなのかもしれません。
●通っている3つの幼稚園では、ほぼ問題なくお友達の中に溶け込んで、仲良く遊んでいるそうです。上記の親友以外のお友達とも遊んでいるそうです。唯一問題になるのは、お友達の立場や希望が理解できないとき。例えば、大学付属の幼稚園でしょんしょんは親友のDarriusを自分の三輪車の後に乗せてあげたいけれど、Darriusが「乗りたくない」と言うと、それがなぜだか分からず、断固として「乗れ!乗れ!」といい続けるそうです。先生が「Darriusは今は乗りたくないのよ」と優しく何度説明しても、「ボクが乗れと言っているんだから、Darriusは乗らないといけない」といった態度が続くそうです。先生(教育学課の学士を持ち、先生歴20年以上のベテラン)によると、しょんしょんの精神面の発達レベルは言語レベルと同じで、現在2歳半~3歳。未だにSelf-Centered(自己中心的)な要素が強いが、それも発達とともになくなっていくだろう、とのこと。確かに遅れはあるけれど、一般的な発達のステージに沿って成長しているから、きっと大丈夫と言ってもらっています。
●家ではおにいちゃんとの関わりが本当にたくさんあり、それがしょんしょんの成長にかなり影響していると思います。しょんしょんがまともに会話できるようになってきたので、5歳年上のおにいちゃんとしても一緒に遊んで楽しいようです。喧嘩もするけれど、基本的には大の仲良し。紙やはさみ、のりなどで一緒に工作をしては、作ったもの(ロボットやポケモンのキャラクター)を振り回して騒々しく駆け回っています。が、よくよく見ていると二人で会話しながら創造性溢れる遊びをしています。公文の宿題も「きょうそうだ~」、「おにいちゃんにまけない~」とか言って、二人で速さを競ったりしています。お風呂の中ではおにいちゃんが数字や日本語の「あいうえお」を教える役。しょんしょんの頭や体もおにいちゃんが洗ってくれます。
●日本滞在中に覚え、アメリカでもYouTubeで見ている楽しんごの「ドドスコスコスコ~ X3 ラブ注入!」が今一番のブーム。家でも外でもお兄ちゃんとあの踊り、やってます・・・(-_-;)
●しょんしょんは2歳半の頃からアイススケートを習っています(お兄ちゃんがフィギュアスケート歴長いので)。最初は親子一緒のクラスに参加していましたが、氷の上に寝そべってばかりでレッスンになりませんでした。自閉症的行動が目立ち、大変な頃でしたから、先生の指示は一切無視していました。しかし、今年の2月(3歳9ヶ月)からは本格的に一人でクラスに入り、先生の指示に従えるようになりました。当初は他の生徒さんに比べるとかなり上達の遅いしょんしょんでしたが、ここ数ヶ月の上達はスゴイ。バック滑りもひょうたん滑りも一気にマスターしました。先週、先生から「クラスの中で一番進んでいる」と言われ、本当に驚きました。まぁ、しょんしょんだけすでに2年以上習っているわけですから、当たり前なんですけどね。
 
生活・健康面
●歯磨きがある程度自分で出来るようになりました。以前は歯ブラシを噛むだけでしたが、自分で前後に動かして磨けています。
●うんちの後、自分でおしりがふけるようになりました。
●料理の手伝いが大好きです。割った卵をといたり、炒め物を一緒に混ぜたりしてくれます。
●おにいちゃんと一緒に、お箸やスプーンをテーブルに並べてくれます。誰がどの箸を使うか、よーく分かっています。
●赤ちゃんの頃から皮膚が乾燥しガサガサで、掻きむしることが多かったしょんしょん。もし日本の小児科医に見せていたら、きっと軽度のアトピーだと言われていたと思います。掻いた後に血がにじむことも多かったので、お風呂の後のクリームだけでは間に合わず、一日に繰り返しクリームをつける必要がありました。それが今年5~7月の日本滞在中にクリームをつける必要がほとんどなくなりました。そのときは「日本は湿気が多いから皮膚が潤っているのだろう」ぐらいしか思っていませんでしたが、なぜかアメリカに帰ってきてからもクリーム必要なし。ここアリゾナは乾燥がひどく、冬は私ですらカサカサになるというのに、しょんしょんは未だにクリームなしで過ごしています。つまり、バイオメディカル治療のお陰で腸がすっかり健康になり、免疫機能が高まって、アレルギー体質が改善されたのではないかと思います。
●灼熱のアリゾナも最近は寒い日が続き、周りには風邪を引いている人をたくさん見かけます。私と夫も最近風邪をひき、喉の痛みや咳が続きました。が、しょんしょんとお兄ちゃんは元気元気。今年6月以降、まだ一度も風邪をひいていません。我が家に潜んでいる風邪菌も、二人の強い免疫力には太刀打ちできないようです。

しょんしょんはまだまだ言葉の遅れはありますが、見た目が完全に日本人なので、初めて会う人はただ「バイリンガルの環境に育っているから遅れているだけ」と思ってくれているようです。癇癪や一見変わった行動も一切なくなり、しょんしょんが診断を持っていることに気づく人は、今となってはまずいないと思います。来年2月か3月に、学校区による発達検査が行われます。その結果がどう出るか、今からとても楽しみです。
 
ご参考までに、現在しょんしょんが飲んでいるサプリの種類も書いておきますね。
 
●ビタミン・ミネラル類
Yashoo - Syndion
SmartyPants (旅行中や外食時など、どうしてもたくさんのサプリを持っていけない時のみ)
Emergen-C (疲れたときや、免疫力が落ちそうなときのみ)
Thorne Research - Vitamin D Liquid
Child Life - Liquid Calcium with Magnesium
Kirkman Lab - Zinc Liquid
 
●オメガ3 (DHA/EPA)
Nordic Naturals - Children's DHA/DHA Junior
 
●消化酵素
Houston Enzymes - TriEnza
Houston Enzymes - No-Fenol Chewable
 
●プロバイオティクス (必要だと思われる時のみ、以下の中から適当に選びます)
Culturelle
Kirkman Lab - Pro-Bio Gold
Pure - Probiotic 123
Seroyal - HMF Neuro Powder
 
●DMG/TMG (DMGとTMGは同時にあげず、期間を開けて交互にあげています)
Douglas Lab - DMG-125
Kirkman Lab - TMG Liquid
 
●GABA
Thorne Research - PharmaGABA-Pro
 
●コロストラム
Kirkman Lab - Colostrum Gold Liquid Flavored
 
●その他
Thorne Research - Neurochondria
Good'n Natural - Acetyle L-Carnitine
Kirkman Lab - L-Carnosine
Kirkman Lab - Coenzyme Q10 Chewable Tablets
 
*Methyl B12注射は、私が目の治療を始めて夜暗いベッドルームでおしりに注射するのが難しくなったため、一時中断しています。

2011/12/07
05:40
プロバイオティクスの種類を1か月ごとに変えていますが、2週間ぐらいのほうが良いのでしょうか?また、プロバイオティクスは1日何個飲ませるのが適当ですか?

「プロバイオティクスは一度腸内で定着してしまえば、それ以上与えても、それ以上の効果は期待できない。だから1種類を続けて摂るより、定期的に種類を変えたほうが効果的」と以前の記事に書きました。それは学会で研究者がそう話しているのを聞いただけでなく、私より2年ほど先にバイオメディカル治療を始めた先輩ママさんからも直接そう聞いて知りました。
 
しかし、実はプロバイオティクスの会社が推薦していることは違います。例えば、Kirkmanのプロバイオティクスに関する説明を読むと、「プロバイオティクスが腸内に定住し、不要な物質(微生物)を体外へ押し出すまでには時間がかかるので、約2ヶ月続けて摂らないと効果は見えない」と書いてあります。またCulturelleの場合は、「ラクトバチルスGGが腸管に定住するのは摂ってから48時間以内。摂るのを止めると1週間以内に効果が消えていく」のだそうです。つまり、どちらも効果を保ち続けるためには長期にわたって毎日飲み続けなければならないと言っています。
 
しかし本当にそうなのでしょうか?
 
私も最初はプロバイオティクスは長年にわたって摂り続けなければならないと信じていました。でもある日、わが子の自閉症の診断をなくすことに成功した先輩ママさんが「ウチの子はもう摂ってないわよ。もう必要ないの」と言ったので驚きました。実際しょんしょんも、1年以上かけて3~4種類のプロバイオティクスサプリを一定期間あけながら交互に毎日摂っていたら、便の状態がとても良くなり、自閉症的な行動も激減しました。今ではたまにしか摂らなくても快便が続くようなっています。
 
とはいえ、私達のような例は実際は少ないのかもしれません。腸に問題が多い他のお子さんは、長年にわたって取り続けないと改善しないのかもしれません。結局、必要量や摂り方は子供によって違い、「こうすれば良い」という決まったマニュアルはないのだと私は思います。子供にとって何が一番効くかは、やはり親が試行錯誤して見つけ出すしかありません。
 
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが質問への回答です。
 
プロバイオティクスの種類を変える期間は1ヶ月が良いか、2週間が良いか?上記のように、それはお子さんのプロバイオティクスへの反応(便の質、量、回数など)によって親が見極める必要があります。1ヶ月 or 2週間にこだわる必要はありまません。3週間や2ヶ月おきでもいいのです。まずはプロバイオティクスの種類と期間をいろいろ試してみる必要があります。数ヶ月にわたる作業になるかもしれませんが、最終的にその子が毎日快便になる方法を見つけてあげてください。快便のためにはプロバイオティクスだけでなく、プバイオティクス効果のある食品やサプリの摂取も大切です。
 
1日に摂るプロバイオティクスの数や量についても上記同様、やはり親が実際に毎日子供の便を見て必要量を見極める必要があります。例えば、プロバイオティクスの数を1日1カプセルから2カプセルに変えたら便の回数が多くなり、3回トイレへ行くことになったとします。便が出るというのは一種のデトックス作用で良いことですから、下痢でなければ1日3回でも全く問題ないと思います。しかし1日1回しっかりとしたバナナの便がたくさん出るのでもいいわけです。こういう場合は1日1カプセルに戻してみて、便だけでなく行動の様子も見た上で、その後の使用量を決めると良いと思います。また、1日1カプセル飲んでいても便秘や下痢が続く場合は、2カプセルにして様子を見てください。とにかく目標はバナナのうんちが毎日かかさずしっかり出ることです。
 
ちょっと話がずれますが、我が家はしょんしょんがバイオメディカルを始めたと同時に、上の子にもマルチビタミン・ミネラル、オメガ3、プロバイオティクスなどのサプリを飲ませるようになりました。これらのサプリは自閉症児のためだけではありません。特に問題のない子にも良い効果をもたらし、体を健康にするだけでなく、学力も向上させます。(アメリカではドクターの診察室に、サプリを摂っている子と摂っていない子ではどれほど学力が違うかを示したデータが張ってあるほど、サプリの必要性が強調されています。)つまり、我が家では毎食二人分のサプリを用意するわけですが、あげる量に融通が利くので助かることがあります。例えば、冷蔵保存が必要で菌が壊れやすいプロバイオティクスは一度カプセルを開けてしまうと一度に全部使ってしまわないといけないと思うのですが、しょんしょんに1日合計で1カプセルを朝食と夕食の2回に分けてあげたいとき、カプセルの中身を半分ずつしょんしょんとお兄ちゃんに分けることで解決できます。そうすればカプセルの中身を半分だけ出して、残りを無駄にするというようなことがありません。(もちろん、親の私が残りを飲んでも良いのですが。)液体のサプリをドポっと入れすぎたときも、余計な分はお兄ちゃんに飲んでもらっています。しょんしょんと同様、お兄ちゃんもちょっとやそっとじゃ風邪を引かないぐらい健康になりました。
 

2011/12/06
07:17
Culturelleにはfor kidsの種類がありますが、普通のと違うのですか?

Culturelleはプロバイオティクスのサプリで、4種類あります。製造会社の説明を元に、それぞれの違い、そして自閉症治療にどれが適しているかを考えてみたいと思います。
 
●Dairy Free Health and Wellness
*100億のラクトバチルスGG
*グルテンなし、カゼイン(乳製品)なし
*イヌリンというプレバイオティクスが含まれ、ラクトバチルスGGの肥料となって増殖を助ける。
 
●Culturelle for Kids
*10億のラクトバチルスGG
*グルテンなし、カゼイン(乳製品)なし
*100ポンド(約45kg)以下の子供用
 
●Natsural Health and Wellness
*100億のラクトバチルスGG
*グルテンなし、カゼイン(乳製品)入り
*成人と13歳以上の子供用
 
●Digestive Health
*100億のラクトバチルスGG
*グルテンなし、カゼイン(乳製品)なし
*腸の状態が悪いとき用(下痢や腸の不快感など)
*イヌリン入り

 
自閉症児のためにはどれを選ぶべきか?
 
GFCFをやっている場合はもちろんとグルテンとカゼイン(乳製品)が入っていないものを選ばなくてはなりません。GFCFをやっていなくても、自閉症児はグルテンとカゼインに弱い場合が多いですから、グルテン・カゼインが入っていない種類のCulturelleををお薦めします。つまり、カゼインの入っているNatsural Health and Wellness は×。
 
次に子供用に作られたfor Kidsが自閉症児に良いかどうかですが、for KidsはラクトバチルスGGが他のCulturelle製品の10分の1の10億しか保障されていませんから、あまりお薦めできないと思います。自閉症児は腸の状態が非常に悪いことが多いとこれまでの研究で判っていますから、一般的な子供用に量を控えた製品では足りないのではないかと想像します。ラクトバチルスGGが100億入っているfor Kids以外の製品の説明書を読むと、使用量は大人にも子供(幼児を含む)にも同じ量の1カプセルと書いてあります。つまり子供が100億摂っても問題はないということです。またCulturelleは安全性がとても高く、副作用も全くと言っていいほどないそうですから摂り過ぎの心配もありません。(摂取開始後ごく稀におなら、膨張感などの副作用が出る場合があるそうですが、腸はすぐに順応して、これらの症状はなくなるそうです。)
 
for KidsはラクトバチルスGGの数が他の製品の10分の1しか入っていないにも関わらず、値段は他の製品と同じ、もしくはもっと高いというのも気に入りません。冷たい食べ物や飲み物に混ぜやすいような工夫がしてるのかもしれませんが、他の製品もカプセルを開けて粉を混ぜたりふりかけたりすることはできますので、特にfor Kidsを選ぶ意味はないように思えます。(私自身は使ったことがないので断定できませんが・・・。)
 
上記をふまえて考えると、自閉症児に最適な製品はDairy Free Health and Wellnessということになると思います。これはもともとアレルギーやセリアック病を持っている人用に作られたグルテンフリー・カゼイン(乳製品)フリーの製品ですし、ラクトバチルスGGの数も10億、プバイオティックの効果のあるイヌリンもはいっていますから、バイオメディカル治療をやっている自閉症児にはピッタリの製品です。
 
Culturelle Digestive Healthも、Dairy Free Health and Wellnessと同様グルテンフリー・カゼイン(乳製品)フリーで、ラクトバチルスGGの数も10億、そしてるイヌリンも入っています。この二つの製品の違いといえば、イヌリンの量(Digestive Healthが245mg、Dairy Free Healthが200mg)と、カプセルの種類(Dairy Free Healthはベジカプセル)だけのようです。しかしCulturelleのウェブサイトにはDigestive Healthは下痢や不快感など腸の状態が悪いとき用だと書いてありますから、とりあえずそのように使うべきなのでしょう。
 
 
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ご参考までに、Culturelleの説明書に書いてあることをここにも記しておきます。
 
Culturelleは世界中で一番多く臨床研究がなされたラクトバチルスGGという種類のプロバイオティックが入っており、400以上の臨床研究で安全性と効果が証明されたそうです。ラクトバチルスGGは他のプロバイオティクスに比べ胃酸や胆汁に強く、腸管まで達する可能性が高いとのこと。そして腸管の表面にくっついて仕事をし、悪いバクテリアを寄せ付けないようにするというユニークな性質があるそうです。
 
Culturelleは製造時に300億の生きたバクテリアが1カプセルに入れてあり、飲用時には100億のバクテリアが存在することを保証しています。他のプロバイオティクス製品は製造時のバクテリアの数は記載してありますが、実際に飲用するときにどれぐらい生き残っているかまでは記載していません。
 
Culturelleを摂ると、48時間以内にラクトバチルスGGが腸管にバリアーを張って定住し始めるそうです。つまりCulturelleの効果は摂り始めて2日以上経たないと表れないということのようです。
 
Culturelleを摂るのを止めると、1週間以内に腸管のラクトバチルスGGのバリアーが消えていくそうです。Culturelleの効果を保ち続けるためには、毎日摂り続けていく必要があります。
 
Culturelleを飲むのに最適な時間というのはないそうです。食事と一緒でも、空腹時でも、いつ飲んでも効果は変わらないとのこと。先日の記事にプロバイオティクス摂取法について色々と書きましたが、胃酸や胆汁に強いCulturelleだけは細かいことを気にせず、とにかく一日1カプセルを毎日飲んでいれば良いようです。
 
Culturelleは副作用がほとんどなく、医薬品と一緒に摂っても大丈夫とのこと。
 
1カプセルごとに特殊な方法で包装してあるので冷蔵保存の必要なし。でも暖かい場所に長時間置くのは避けたほうが良いです。
 
注意しなくてはならないのは、暖かい飲み物や食べ物に混ぜてはいけないということ。せっかくのラクトバチルスGGが死んでしまうようです。
 
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個人的に、Culturelleは自閉症児にはとても適したプロバイオティックだと思っています。冷蔵保存の必要がないから持ち運びにも便利。味がないので何にでも混ぜやすい。我が家は先輩ママさん達から薦められて以来、家にCulturelleを欠かしたことはありません。今ではしょんしょんの便の状態はいつも良いので、毎日続けては飲んでいませんが、ちょっとでも悪い変化がみられたときはすぐにあげるようにしています。

2011/11/30
14:19
Lカルニチンの効果や副作用、一緒に取った方が良い栄養素があれば教えていただけますか?また、LカルニチンよりアセチルL-カルニチンの方が効率よく吸収されるのでしょうか?

Lカルニチンを使った自閉症治療の研究は今までほとんどなかったようですが、今年の夏Lカルニチンサプリ摂取の有効性を示した研究結果が発表されたので、それを何人かの方にお伝えしてありました。
 
その研究論文はコレ↓
Geier DA, Kern JK, Davis G, King PG, Adams JB, Young JL, Geier MR, A prospective double-blind, randomized clinical trial of levocarnitine to treat autism spectrum disorders. Med Sci Monit 2011 Jun 1;17(6):PI15-23.
 
カルニチンは体内(肝臓や内臓)で作られる物質で、脳と体のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の生産を助けるために脂肪酸をミトコンドリアに送る働きをしています。過去の自閉症治療の研究では、自閉症児はミトコンドリア機能が低下していること、ATPのレベルが低いこと、カルニチンのレベルも低いことなどが発表されてきました。そこで、実際にカルニチンのサプリを一定期間自閉症児に与えたらどうなるかをこの研究で調査したそうです。
 
この研究では30人の自閉症の被験者(3~10歳)を二つのグループに分け、一つのグループだけにLカルニチンのサプリ(50 mg/kg/day)を3ヶ月間与えた後、二つのグループの自閉症重症度を比較しました。すると、Lカルニチンを摂ったグループは認知と筋力が目立って向上し、Childhood Autism Rating Scale (CARS)で自閉症重症度が著しく減少したそうです。またAutism Treatment Evaluation Checklist (ATEC)においても、知覚と認知度が向上していたそうです。また、コエンザイムQ10、NADH、Ribose、マルチビタミン・ミネラルなどミトコンドリア機能を向上する他のサプリと一緒に摂ると更に効果が高まるのではないかと期待されています。
 
この研究と同量のLカルニチンを摂るのなら、例えば13kgの3歳児が一日に摂る量は、50mg X 13kg = 650mgと、結構な量になります。しかし他のサプリと同様に、実際は子供によって必要量は違うはず。本当なら適量を指示してくれる自閉症治療専門の医師か栄養士が日本にもいれば良いのですが、現状では全く期待できませんよね・・・。
 
上記の研究結果を知った後、しょんしょんにはアセチルLカルニチンのサプリを飲ませています。量はとりあえず一日1カプセル=250mg。しょんしょんの場合はコエンザエムQ10やマルチビタミン・ミネラルを含め、ミトコンドリアに良いサプリを他にも摂っていますから、これぐらいの量で十分効果があるのではないかと勝手に考えています。
 
アセチルLカルニチンとは、Lカルニチンから合成されて腎臓や肝臓、脳内で作られる物質。サプリで摂るにはLカルニチンよりアセチルLカルニチンの方がBlood-Brai Barrier(血液脳関門)を通過しやすいので良いそうです。アセチルLカルニチンは神経伝達物質であるアセチルコリンの生産を促し、脳機能を向上に役立つという意味でも摂取する価値があるかもしれません。
 
Lカルニチンのサプリは比較的安全性が高く、上記の研究のように一定期間多めに摂ったとしても、採血検査で腎臓や肝臓機能に悪影響を与えたというような結果は一切見られなかったそうです。しかし摂取期間中に短気になったりお腹の調子が悪くなったといったマイナーな副作用は見られたとのことですから、多少は注意が必要かもしれません。
 
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