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アメリカ発 「Autism is Treatable ~自閉症は治療可能~」の実践

これは日本で自閉症児を育てているママ達に、アメリカの自閉症治療法について情報を提供するためのブログです。メールで受けた質問への回答を載せています。
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2011/08/31
02:09
ビタミンB12注射 (Methyl-B12 Injection)

みなさんにはすでに電話やメールで何度も伝えましたが、しょんしょんに試したバイオメディカル治療サプリの中で一番効果があったのはビタミンB12注射だと私は思っています。2010年11月9日に一本目の注射をおしりにしたのですが、ほんの数日以内に、それまで"ばいばい"と"わんわん"ぐらいしかまともに発音出来なかったしょんしょんが突然文章を話し始めました。最初のビックリは私が車を運転していた時。後から突然、「まみー、おうち、かえろ」、と言う声が聞こえました。「はぁ?今なんて言った???」と運転中なのに思わず後を振り返ってしまいました。そうしたらしょんしょんが再度、「まみー、おうち、かえろ」、とはっきり言ったのです!その日以来、しょんしょんの言葉は驚く速さで増えていきました。たぶんB12注射を始めて2週間も経っていなかったと思いますが、私がしょんしょんに「どこへ行ったの?」と聞いたら、「しょんしょん、だでぃ、にーちゃん、かいもん、いった」と5語文(?)を言いました。その瞬間、私と夫と上の子の3人が驚きの表情で顔を見合わせたことは、今も忘れることが出来ません。3歳半になったばかりの頃の話です。もしかすると発音が不明瞭で家族以外の人には伝わらなかったかもしれません。しかし私達家族にはしょんしょんの言葉がはっきり理解できました。しょんしょんの口から言葉が出て、言葉で私達とコミュニケーションを取ろうとしている!その事実だけで涙が出るほど嬉しかったです。それまでは「この子は一生言葉を話せないのかもしれない」とみんなでとても心配していました。私達にとっては、それこそ"劇的"な変化でした。
 
ビタミンB12注射が"劇的に"効いたと思っているのはしょんしょんだけではありません。私の身近にいた自閉症児(上の子の幼稚園のクラスメイト)もB12注射のお陰で突然話が出来るようになったと教えてもらっていました。その話をその子のママから一部始終聞いていたことが、バイオメディカル治療に興味を持つようになった一番のきっかけでした。その後、自閉症学会で知り合った何人もの先輩ママさん達からも、B12注射の高い効果について何度も聞きました。
 
しかし「話せるようになったのは本当にビタミンB12注射のお陰か?」と聞かれると、私も上の子のクラスメイトのママも「絶対そうだ」とは言い切れません。他にもたくさんの治療法を同時に試していたからです。しょんしょんがマルチビタミン・ミネラル、オメガ3、プロバイオティックなどの基本サプリを本格的に飲み始めたのは2010年の1月でした。DMSAによるキレーションも最初の頃にやりました。CFダイエットは2月から。GFは8月から。言語療法や作業療法などにも通っていました。その中のどれか、もしくはいくつかが組み合わさって、11月に突然効果が出てきた可能性だってあるわけです。B12注射をやり始めたすぐ後に話し出したのでついついB12注射のお陰と考えがちですが、実際にそれを証明する術はありません。自閉症児の中にはB12注射をやっても全く効果がない子供もたくさんいるそうです。ですからB12注射を夢のような治療法と考えるのは間違っていると思います。
 
Autism Research Institute (ARI)が発表したParent Ratings(自閉症児の親による評価)によると、バイオメディカル治療の中で一番効果が高かった(摂取後"良くなった"と答えた親が多かった)のがキレーション。803人のキレーションを試した親のうち74%が何らかの良い効果があったと回答しています。その次に評価が高かったのがビタミンB12注射で、170人の親のうちの67%が"良くなった"と回答しました(2010年10月のARIによるDAN学会、Dr. Dan Rossignolによる講義より)。キレーションについては以前も書きましたが、効果があっても副作用の心配があるため自閉症治療を専門にする医師(一般的にDAN Doctorと呼ばれている医師)の間では最後の手段だと考えられることが多いそうです。ですからここではあえて言及を避けさせてもらいます。ビタミンB12注射については比較的安全で効果が高いものとして、学会でもよく話が出ます。2010年10月のDAN学会ではビタミンB12注射の打ち方の実習説明会があり、私はそこでシリコン製の作り物のおしりと、赤い液体の入った本物の注射器を使って練習が出来たので、その後安心してB12注射を始めることができました。それまではB12注射の効果について知ってはいたものの、わが子のおしりに自分で注射をするという行為が恐ろしくて、なかなか決心がつきませんでした。
 
ここでビタミンB12注射について、少し詳細を書いておきます。
 
●ビタミンB12といっても色々な種類がありますが、自閉症治療に使われるのはMethylcobalamine。
●Methylcobalamineは体内のMethylationを促すのに必要。グルタチオンの生成を助け、様々な毒物(重金属など)を細胞外に排出することにより解毒を促す。つまりビタミンB12注射はデトックス(解毒)を主な目的とした治療法。
●アメリカではMethylcobalamineの入った注射器を入手するには医師の処方箋が必要。
●子供の体重をもとに計算された分量を、3日に一度、おしりの皮下脂肪に打つ。皮下脂肪に打つことにより、Methylcobalamineを約3日間かけて体内にゆっくり徐々に入れることが可能になる。口から入れると数時間ですぐに吸収されておしっこで出てしまう。
●3日に一度のことなので、医師のもとに通うのではなく、親(またはその他の大人)が自宅で打つ。
●注射する前に、BLTやEMLAなどの麻酔クリームを使うのが一般的。子供に痛みや恐怖感を与えないよう細心の注意を払うことが必要。それが続けていくための最重要課題。(ウチでは寝始めてしばらくしてから麻酔クリームをおしりに直径2~3cmの大きさで塗り、30分~1時間待ってから注射しています。寝ながら抵抗するしぐさをすることはありますが、本人は今も注射されていることに気が付いていません。)
●すぐに効果がでなくても5週間は続けて様子を見たたほうが良い。
●Methylcobalamineは常時冷蔵保存が必要。
 
ビタミンB12注射を最初に自閉症治療として使ったのはDr. James A. Neubrander。彼のウェブサイトにはその効果や使い方などについて実際に体験した親達が話しているビデオがたくさんあります。もちろんB12注射に関する論文や資料もたくさん載っています。全て英語だし専門的な語彙も多いですが、興味のある方は参考にされると良いと思います。http://www.drneubrander.com/
 
最後に、日本でもビタミンB12注射治療をすることは可能か?残念ながら、現在日本にはビタミンB12注射について知っている医者はどこにもいないように見受けられます。新宿溝口クリニックの溝口徹医師あたりなら知っているのだろうか?もし日本でMethylcobalamineを注射器に入れたものを処方してくれる医者がどこにも見つけられない場合は、アメリカの医者とどうにか連絡を取って処方箋をもらい、冷蔵容器に入れて日本へ送ってもらう、もしくは誰かに代わりにスーツケースに入れて持ってきてもらう以外に方法はないかもしれません。
 
しょんしょんのドクターには「日本にもビタミンB12注射を試したい自閉症児の親がいるかもしれない」とすでに伝えてあります。とても親切なドクターですから、どうすれば日本に住む自閉症児と連絡を取り処方箋を出せるか、いろいろ思案してくださっています。私もみなさんのために出来る限りのことをしたいと思っているので、何らかの形で協力できれば良いのですが・・・。しかし、まずは日本で処方箋を出してくれる医者を探してみるのが一番かもしれません。みなさんの周りに自閉症治療について理解を示してくれて、Dr. Neubranderの文献を読んでくれそうな医者はいないものでしょうか?しかし必死の努力をしてビタミンB12注射をゲットできたとしても、上記のように全く効果がない場合もありますので、その辺もよく考えてみる必要があると思います。
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